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2006年06月15日
レイナ:「タツヤ先輩、昨日ライブドアの株主総会が行われましたけど、株主にとっては不満の残る総会だったみたいですね。」
タツヤ:「そうだね。ライブドア自身は日本経済を揺るがした重大な事件を起こしたんだから、新経営陣はコーポレート・ガバナンスを重視して経営に当たる必要があるんだけどね。」
レイナ:「コーポレート・ガバナンス?それってどういうことですか?」
タツヤ:「うん。コーポレート・ガバナンスっていうのは『企業統治』とも呼ばれるんだけど、企業の意思決定の主体やその仕組みのことを言うんだ。」
レイナ:「企業を統治する人々や統治する仕組みのことですね。」
タツヤ:「そう。法律なんかでは株主が企業の所有者と定められているから、統治の主役は株主っていうことになるけど、実際のところ企業の運営は経営者に任されているから、その経営者による企業運営をどう監査・統治するかがコーポレート・ガバナンスでは重要な問題になってくるんだ。」
レイナ:「ただ、ライブドア事件の場合がそうだったけど、大株主が経営者の場合なんかは企業の運営のあり方を監査することは難しいわね。」
タツヤ:「そうだね。加えて日本の企業の場合は経営者と親密な関係にある者が監査役を担当することが多いから、企業経営を正常に監査・統治することは非常に難しい状況にあるんだ。」
レイナ:「そうね。カネボウの時にも監査法人が粉飾を見逃すっていう問題があったものね。でも最近は社外から取締役を迎えて監査を強化する企業もでてきているんじゃないですか?」
タツヤ:「確かにそういう例も増えてきてはいるよね。でも、多くのパターンはその社外取締役が経営者の友人であったり、経営情報を十分に公開していなかったりと有効に機能しているとは言い難い状況なんだよ。」
レイナ:「そういえば、ライブドアも今回の株主総会で親密先であるUSENの宇野社長を社外取締役に起用したわね。」
タツヤ:「宇野社長の社外取締役起用に関しては大株主であるアメリカの投資ファンドが反対していたんだけどね。」
レイナ:「でもライブドア事件の場合もそうだけど、ある特定の経営者が長く実権を握り続けると、経営の私物化が起こって、コーポレート・ガバナンスは外部の者にとってわかりにくい状況になって不祥事を未然に防ぐということがさらに難しくなるってこともあるんじゃないかしら。」
タツヤ:「まさにレイナちゃんの言うとおりだよ。日本では特に長期間にわたって経営の実権を握る経営者が多く、そのような経営者の中には企業の本来の所有者である株主の利益を無視して自分自身の利益を追求するモラルハザードが発生する問題も深刻なんだ。」
レイナ:「それじゃあ、株主はどのようにして健全なコーポレート・ガバナンスを維持することができるんですか?」
タツヤ:「うん。実際のところ、これっていう決定打があるわけじゃないんだけど、何点かの対策はあるんだ。まず第一点目は株主総会の際に企業運営にふさわしい経営者を選出し、経営にふさわしくないと判断すれば解任請求を行うこと。第二点目は社外取締役を選任し執行役員を監視させること。そして最後の第三点目は選出した経営者が株主の意向に沿って経営しているかを常に監視し、もし株主の利益を損なうような経営が発覚した場合はすぐに株主代表訴訟を起こす姿勢を示すことなんだ。」
レイナ:「株主にとっては企業運営にふさわしい経営者を選出して、その後も常に監視の目を光らせていくことが重要なんですね。ところで経営者側からは健全なコーポレート・ガバナンスを実施するポイントというのはあるんですか?」
タツヤ:「そうだね。健全なコーポレート・ガバナンスを維持するには、まずは経営情報を隠すことなく開示することが最も重要なポイントとなるんだ。それから独立した監査機関を設置したり、従業員を含めた企業をとりまく利害関係者と協調して進めることもポイントとなるんだよ。」
レイナ:「ライブドアが今後コーポレート・ガバナンスを徹底して、新たに生まれ変わるといいですね。」
【MBA講座:今回のTake Away】
◆コーポレート・ガバナンスとは?
→企業経営の際の意思決定の主体およびその仕組み
◆日本企業におけるコーポレート・ガバナンスの問題点
1.経営者と監査役が親密な関係にある。
2.社外取締役に対する情報開示が不十分。
3.経営者が長期に実権を握り、外部からは意思決定方法がわかりにくい。
◆株主によるコーポレート・ガバナンスのチェック方法
1.企業運営にふさわしい経営者を選出する。
2.社外取締役に経営の健全性を監視させる。
3.自ら経営状態をチェックし、不当な行為は訴訟を起こす。
◆健全なコーポレート・ガバナンスのポイント
1.十分な経営情報を開示する。
2.独立した監査機関を設置する。
3.企業を取り巻くステークホルダーとの協調を推進する。
投稿者 MBA : 2006年06月15日 14:08
