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2006年06月08日
■ ぺネトレーションプライシングとスキミングプライシング(上澄み吸収価格戦略と市場浸透価格戦略)
レイナ:「タツヤ先輩、今度のうちの会社の炭酸コーヒープロジェクト。マーケティング部長が絶対に成功させてやると張り切っていたわよ。」タツヤ:「炭酸コーヒーっていうのは新たな市場を切り開くことになるからね。力の入れようも違うんじゃないかな。」
レイナ:「そうね。早速私も買って飲んでみたんだけど味は思ってたよりおいしかったわ。ただ価格がね。普通のボトルで140円は高いんじゃないかしら。他のジュースよりも20円高ければ結構高いって感じがしちゃうわ。」
タツヤ:「レイナちゃん、それも戦略なんだよ。」
レイナ:「新商品に高い値段をつけるのが戦略なんですか?」
タツヤ:「そう。新製品の価格戦略には2通りの考え方があって、一つはマーケットシェアをいきなり獲得する目的で赤字覚悟の低価格を設定するぺネトレーションプライシングと、もう一つは短期間のうちに投資資金を回収し、収益を最大化させるために高い価格を設定するスキミングプライシングなんだ。」
レイナ:「ということは今回は高い価格を設定してるってことはスキミングプライシングを採用したわけね。」
タツヤ:「そういうことになるね。」
レイナ:「でもどのような基準で低価格で行こうとか、高価格でも大丈夫って決めることができるんですか?企業とするとできれば高価格の方がいいと思うんですけど。」
タツヤ:「どちらの戦略を採用するかはある程度の前提条件があって、たとえば今回のようにスキミングプライシングを採用する場合は製品が差別化されていて競争が激しくない場合や商品の需要が価格の影響を受けにくい場合などが挙げられるんだ。」
レイナ:「そうか。炭酸コーヒーなんて万人受けするものじゃないし、言ってみれば一部マニア対象の商品ですからね。味的にも他の炭酸とは一線を画して差別化されているといえば差別化されているわ。」
タツヤ:「今回そのような条件に加えて既にコーヒーのブランドを確立している我社だからこそ今回のような強気の価格設定ができたんだと思うよ。このようなスキミングプライシングではまず対象を価格にこだわらないマニア層(イノベーター理論のイノベーターやオピニオンリーダー)に絞り需要を喚起していくんだ。その後市場が拡大するに伴って価格を下げていくというのが一般的な戦略になるんだよ。」
レイナ:「いきなり投資の元を取ってそれから市場が拡大した段階で大量生産に持ち込んで価格を低下させていくがスキミングプライシングの一般的なやり方なのね。」
タツヤ:「そうだね。このようなスキミングプライシングに対してぺネトレーションプライシングでは前提条件としてまず潜在市場の大きさが問題となるんだ。」
レイナ:「一部マニア向けの市場ではなく、一般向けに大きなマーケットが存在することが前提になるのね。」
タツヤ:「そう。その上価格を変動させることによって需要が大きく変わるマーケットだったり、生産量の拡大に伴ってコストがドラスティックに低下する商品だったりする場合はこのぺネトレーションプライシングを採用するといいんだよ。」
レイナ:「そうするとコーラなどの一般的な清涼飲料はぺネトレーションプライシングが有効に働きそうね。たとえば、コーラとかペプシなんかの新製品が出たら、結局は味はあまり変わらないから値段で選んじゃうもの。」
タツヤ:「そうだね。そのようなマーケットで製品の差別化が十分にできない場合は価格で勝負に出てマーケットシェアをいかに高めるかが重要な課題になるんだ。」
レイナ:「商品で十分差別化できないから、低価格に訴えて生産量をアップさせ、低コストで収益を確保する戦略になるわけですね。」
タツヤ:「そう。特に価格というのは消費者に対する強烈なメッセージになるから特に新製品の価格設定の場合は製品やマーケットの特性を踏まえて慎重に価格戦略の決定を行う必要があるんだよ。」
【MBA講座:今回のTake Away】
◆新製品の価格設定戦略
1.スキミングプライシング(上澄み吸収価格戦略)
2.ぺネトレーションプライシング(市場浸透価格戦略)
◆スキミングプライシングとは?
→新製品投入時に他社の同製品より高めの価格設定を行い、短期間に大きな収益を上げ、投資した資金を早急に回収する価格戦略。たとえば、サントリーの『山崎50年』などは他に比較できる商品がないため100万円という高額な価格にかかわらず飛ぶように商品が売れた。
◆スキミングプライシング導入の前提条件
1.製品が差別化できている。
2.競争が激しくない。
3.需要の決定要因が価格ではない。
◆ぺネトレーションプライシングとは?
→新製品投入時に他社の同製品より低めの価格設定を行い、短期間でマーケットシェアを獲得する価格戦略。たとえば、Yahoo!のADSLは思い切った低価格戦略を採用することによりマーケットシェアの獲得に成功した。
◆ぺネトレーションプライシング導入の前提条件
1.大きな潜在的市場が存在する。
2.消費者が価格に非常に敏感な商品である。
3.生産拡大によりコスト削減が見込める。
投稿者 MBA : 2006年06月08日 14:12
