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2006年10月26日
 ■ 売上を劇的に向上させるセールスフォース戦略とは?

レイナ:「タツヤ先輩、営業部の部長が嘆いてましたけど、最近の商品は高度な技術を利用するのはいいんだけどお客さんが理解できなくて売れ行きはイマイチなんですって。」


タツヤ:「そうか。そうするとセールスフォース戦略を見直す必要があるね。」


レイナ:「セールスフォース戦略?」


タツヤ:「そう。セールスフォースっていうのは営業マンなどに代表される『外勤販売部隊』とテクニカルサポートやテレセールスなどの『内勤販売部隊』のことを指すんだ。」


レイナ:「なんだ。ということはセールスフォースっていうのは商品やサービスの販売に関わる人達のことなのね。」


タツヤ:「簡単に言うとそうだね。セールスフォース活動っていうのは、各種プロモーションメディアの中でも最も双方向性があって、柔軟な即時対応が可能であるという特徴を持っているんだ。だから、商品やサービスが複雑な場合や顧客が商品やサービスの品質や価格の差を認識するのが難しい場合に有効なんだよ。」


レイナ:「そうね。顧客側からすれば相手は営業の人だから商品やサービスについて分からないことがあれば直接聞けるものね。そのようなセールスフォースの特徴を踏まえて、売上の向上を図るのがセールスフォース戦略っていうわけね。」


タツヤ:「そうだね。セールスフォース戦略っていうのはセールスフォースが自社の商品やサービスを上手に売るための営業活動のプランニングや実行のマネジメントを行うことで、まず4つの要素を定義することから始めるんだ。」


レイナ:「4つの要素って何なんですか?」


タツヤ:「うん。商品やサービス、数、組み合わせなどの『サービスアイテム』、チームの構成人数やスキル、役割分担などの『チーム』、営業ターゲットや連絡・訪問の時間と頻度を定めた『アプローチ』、客先でのトーク内容や展開のシミュレーションなどの『セールストーク』の4つなんだ。」


レイナ:「『サービスアイテム』、『チーム』、『アプローチ』、『セールストーク』の4つの要素をまず最初に定義する必要があるんですね。」


タツヤ:「そうだね。またセールスフォース戦略はプロモーション戦略の一つの要素に過ぎないから、マーケティング戦略の一環として整合性が取れていなきゃいけないし、他のプロモーション手段と効果的に連動させることが重要なんだ。」


レイナ:「そうね。人的営業もマーケティング戦略の一部だから他の戦略との調和を図って進めないとバランスが取れなくなるものね。」


タツヤ:「それから、セールスフォース活動は個人の能力やスキルによって結果の差が何倍にもなるっていう特徴があるんだ。だからノウハウの共有によって経験の浅い社員は底上げしていかなきゃいけないし、優秀なセールスパーソンには高いモチベーションを発揮し続けてもらうために適切な評価・報酬制度を構築しなきゃいけないんだよ。」


【MBA講座:今回のTake Away】

◆セールスフォース戦略とは?
→営業マンなどに代表される『外勤販売部隊』やテクニカルサポート、テレセールスなどの『内勤販売部隊』を効率的に動かして売上を上げる戦略。


◆セールスフォース活動の特徴
→各種プロモーションメディアの中でも最も双方向性があって、柔軟な即時対応が可能。商品やサービスが複雑な場合や顧客が商品やサービスの品質や価格の差を認識するのが難しい場合に有効となる。


◆セールスフォース戦略の第一段階
→4つの要素を定義する。

1.サービスアイテム-(商品やサービス、数、組み合わせ)
2.チーム-(チームの構成人数やスキル、役割分担)
3.アプローチ-(営業ターゲットや連絡・訪問の時間と頻度)
4.セールストーク-(客先でのトーク内容や展開のシミュレーション)


◆セールスフォース戦略の注意点
1.プロモーション戦略の一つの要素に過ぎないから、マーケティング戦略の一環として整合性を取る。
2.他のプロモーション手段と効果的に連動させる。
3.ノウハウの共有によって経験の浅い社員は底上げする。
4.優秀なセールスパーソンには高いモチベーションを発揮し続けてもらうために適切な評価・報酬制度を構築する。

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2006年10月12日
 ■ 株式交換による買収のメリットとは?

レイナ:「タツヤ先輩、インターネット検索大手のGoogleが無料動画配信で成長著しい新興企業YouTubeを買収するって発表がありましたね。」


タツヤ:「そうだね。Googleはアメリカでは圧倒的な人気を誇る検索エンジンだし、YouTubeはビジネスモデルが確定していないという面はあるけど無料動画配信では50%のシェアを握る勢いのある企業だから今後一緒になってどんなサービスが展開されるか楽しみだね。」


レイナ:「買収価格は16億5千万ドルですって。日本円にするとおよそ1950億円ってとこかしら。潤沢なキャッシュを持つGoogleだからできることですよね。」


タツヤ:「でも今回の買収ではキャッシュは全く使わないんだ。」


レイナ:「16億5千万ドルの買収なのに、キャッシュを使わないってどういうことですか?」


タツヤ:「今回の買収は株式交換で行われるんだ。だからキャッシュは全く使わないってことさ。」


レイナ:「株式交換?」


タツヤ:「そう。株式交換っていうのは買収元企業が新たに株式を発行して、買収先企業の株主の持っている株と交換して買収先の企業を100%子会社にするという方法なんだ。この株式交換を利用すれば買収元の企業はいかに多額の買収でもキャッシュを用意する必要がないってことさ。」


レイナ:「つまり今回Googleは新たに株式を発行してYouTubeの株主の持つ株と交換をするってことですね。そうするとYouTubeはGoogleの100%子会社になるし、YouTubeの株主は株式を交換することによって今度はGoogleの株主になるんですね。」


タツヤ:「そういうこと。加えてこの株式交換はキャッシュを用意しなくていい他にもメリットがあるんだ。」


レイナ:「どんなメリットですか?」


タツヤ:「うん。まずは合併に比べて手続きが簡単にできるということなんだ。合併では法律に基づいて様々な手続きが必要になるけど、株式交換ではケースによっては完全親会社の株主総会の承認決議を経ないで行うことができる“簡易な株式交換手続”という規定もあるんだ。」


レイナ:「法律に基づいた手続きってなんだか面倒くさそうですからね。」


タツヤ:「そう。他にもメリットがあって株式交換による買収では法律的には別法人という形になっているから、別法人としての運営が可能になるんだ。だから買収先の企業の従業員や取引先の心理的抵抗は合併に比べて低くなるんだよ。」


レイナ:「そういえば、ニュースを見るとYouTubeの経営者はこれまで売却を否定してきたけど、独立の道が確保できたので売却に踏み切ったってことを言っていたわね。」


タツヤ:「まだまだ株式交換のメリットはあって、株価が上昇局面では結果的に割安で企業買収を行えるっていうことなんだ。今回の買収でも実際にGoogleがYouTube買収の憶測が市場に流れてからGoogle株は2%値上がりして2日間で時価総額が40億ドルほど増えているんだ。」


レイナ:「40億ドルっていうと今回の買収の2倍以上の金額になりますね。こうしてみると株式交換による買収はメリットばかりのようですけど・・・」


タツヤ:「もちろん、デメリットもあるよ。株価が低水準で推移している場合は割高になる可能性だってあるし、いくら手続きが合併に比べて簡単と言えどもやはりキャッシュで買うよりは煩雑な手続きが必要になるんだ。他にも部門の買収という部分的な買収はできないから、債務などを含めて企業一切を引き受けなきゃいけないんだ。」


レイナ:「企業側とすると状況に応じて最適な買収方法を選択するオプションがあるんですね。」

 

 【MBA講座:今回のTake Away】

◆株式交換とは?
→買収元企業が新たに株式を発行して、買収先企業の株主の持っている株と交換して買収先の企業を100%子会社にするという方法。


◆株式交換の手続き
1.株式交換契約書を作成
2.両当事会社において株主総会の承認決議

→ケースによっては親会社の株主総会の承認決議を経ないで行うことができる“簡易な株式交換手続”の規定もある。


◆株式交換のメリット
1.現金を用意する必要がない。
2.合併に比べて手続きが簡単。
3.法律的には別法人のため、別法人としての運営が可能。
4.別法人のため、取引先や従業員の抵抗が少ない。
5.株式が高水準の場合は割安で買収が行える。


◆株式交換のデメリット
1.株価が低水準で推移している場合は割高になる場合がある。
2.キャッシュによる買収に比べれば手続きが煩雑。
3.一部門の買収はできない。債務などを含めて全てを引き継がなければいけない。

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2006年10月05日
 ■ 株式投資判断指標その2:ROE

タツヤ:「レイナちゃん、前回は株式投資の判断基準としてPERとPBRを勉強したのを憶えているかな? 」


レイナ:「えぇ、PERっていうのは株価を1株当たりの収益で割って株価水準が割安なのか割高なのかを判断する指標でしたし、PBRは株価を1株当たりの純資産で割ってその株価水準を測る指標でしたね。」


タツヤ:「そうだね。そしてPER、PBRともに比較して低い方が割安株になるっていうことだったね。じゃあ、今回はこれらに加えてROEについてみていくことにしよう。」


レイナ:「ROEですか。」


タツヤ:「そう。ROEっていうのはReturn on Equityの略なんだけど、企業が株主から預かった資金をどれだけ効率よく利用しているかを図る指標なんだ。」


レイナ:「企業が株主から預かった資金をどれだけ効率よく利用しているかってどういう風に図ることができるんですか?」


タツヤ:「あぁ、ROEは税引き後の利益を株主資本で割ってパーセンテージを求めることになるんだよ。」


レイナ:「ということは株主資本を効率的に活用している企業、つまりROEがより高い企業に投資すればいいってことですね。」


タツヤ:「そうだね。特に欧米の投資家はこのROEを重視して投資を決めているんだ。それほど企業にとっては重要な指標のうちの一つなんだよ。」


レイナ:「それじゃあ、投資される企業側にとってはこのROEを上げるのに必死にならなきゃいけないですね。」


タツヤ:「そういうこと。企業側にとっては、ROEを高めるには2つの方法があって、総資産に対する利益の割合を高めるか、負債比率を高めていけばいいんだ。それはROEを求める公式を分解してみればわかるんだけどね。」


レイナ:「公式を分解してみればいいって一体どういうことですか?」


タツヤ:「ROEというのは税引き後利益を株主資本で割ったものだろう。これを分解してみるとROE=(税引き後利益÷総資産)×(総資産÷株主資本)とすることができるんだ。ここで(税引き後利益÷総資産)はReturn on Assets、略してROAと呼ばれる指標だし、(総資産÷株主資本)は財務レバレッジと呼ばれる指標だから、ROE=ROA×財務レバレッジと置き直す事ができるんだよ。」


レイナ:「そうするとROE=ROA×財務レバレッジだからROAを向上させるか、財務レバレッジを利かせることによってROEを向上させることができるんですね。」


タツヤ:「そう。ROEについても簡単な事例で見てみると、たとえば株主資本10億円の企業が1億円の税引き後利益であればROEは10%になるし、株主資本が5億円の企業が8千万円の税引き後利益だとROEは16%となるってことなんだ。」


レイナ:「投資家とすると利益額の大きさではなく資本効率で判断するから、後者のROEの高い方に好んで投資することになるんですね。」


 

【MBA講座:今回のTake Away】

◆ROEとは?
→Return on Equity。税引き後の利益を株主資本で割って求められる。


◆ROE計算式の分解
ROE=税引き後利益÷株主資本
   =(税引き後利益÷総資産)×(総資産÷株主資本)
   =ROA×財務レバレッジ


◆ROEの向上策
→ROAを高めるか、負債比率を高めて財務レバレッジを利かせる。


◆ROAとは?
→Return on Assets。税引き後利益を総資産で割って求められる。


◆財務レバレッジとは?
→株主資本に対する総資本の倍率。財務レバレッジが高いほど「てこ」の原理で自己資本を使わずに事業を行っていることになる。

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