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2006年11月16日
レイナ:「タツヤ先輩、ここ最近明星食品のM&Aのニュースが話題になっていますね。」
タツヤ:「そうだね。アメリカの投資ファンド、スティール・パートナーズが明星食品に対して仕掛けた敵対的TOBに対して、同業界トップの日清食品が友好的TOBを実施したからね。」
レイナ:「そのTOBって一体何なんですか?」
タツヤ:「ああ、TOBっていうのは『Take Over Bid』の略で、M&A対象企業の株式の公開買い付けを行うことなんだ。」
レイナ:「株式の公開買い付け?」
タツヤ:「そう。上場企業の株式を市場外で5%以上購入する時は原則このTOBを実施する必要があるんだ。また、市場外の株式購入で買取後の議決権が全体の1/3以上になる時には必ずTOBで行わなきゃいけないんだよ。」
レイナ:「今回スティール・パートナーズは明星食品の全株を市場外で取得しようとしているからTOBを実施することになったのね。でもTOBって具体的にはどのようなプロセスになるんですか?」
タツヤ:「うん。TOBでは、企業買収を目指す投資家が、買取の株式数や期間、価格などを公に発表して、不特定多数の株主から市場を通さずに売買の募集を行うんだよ。」
レイナ:「株式市場を通さないってことはどのようにして株の売買価格を決定するんでしょう?」
タツヤ:「通常は市場価格より若干高い価格を提示して多くの株主から幅広く申込を受けるのが通例なんだ。」
レイナ:「そうか。その価格の上乗せ分がプレミアムと呼ばれるものなんですね。今回のスティール・パートナーズは1ヶ月の終値平均に14.6%を上乗せした700円をTOB価格に設定したと新聞に載ってましたよ。」
タツヤ:「そうだね。スティール・パートナーズには彼らなりの思惑があるんだろうけど、一般的に成功するTOBのプレミアムは市場価格の30%程度なんだ。実際に資本提携を目指して友好的なTOBを仕掛けた日清食品の買い付け価格は870円だからね。」
レイナ:「でもスティール・パートナーズや日清食品は、なぜ市場価格より高い買い付け価格を提示してTOBを実施する必要があるんでしょう?そんな面倒なことをしなくても市場で購入すれば済む話なのに・・・」
タツヤ:「うん。たとえば市場で大量の株式を買い集めるとすると、需要と供給のバランスに伴って株価が上昇し、最終的に買収コストがかさむリスクがあるんだ。このようなリスクを避けるにはTOBが有効で、それが多くの企業で利用されるようになった理由でもあるんだ。」
レイナ:「ふーん。そうすると市場での株式購入は買収価格が予測できないけど、TOBっていうのは一定の価格で短期間に大量の株式を購入できるメリットがあるってことね。」
タツヤ:「そう。加えて今回のスティール・パートナーズによる明星食品に対するTOBは経営陣に同業他社との提携を促して、低迷している株価を引き上げる意図もあったかもしれないね。」
レイナ:「日清食品のTOBにスティール・パートナーズが応じれば、多額の売買益を手にすることができるって訳ですね。」
【MBA講座:今回のTake Away】
◆TOBとは?
→『Take Over Bid』の略で、M&A対象企業の株式の公開買い付けを行うこと。上場企業の株式を市場外で5%以上購入する時は原則TOBが行われ、また株式買取後の議決権が全体の1/3以上になる時にはTOBを実施しなければいけない。
◆TOBのプロセス
→企業買収を目指す投資家が、買取の株式数や期間、価格などを公に発表して、不特定多数の株主から市場を通さずに売買の募集を行う。
◆TOBの買付株価
→一般的に市場価格の30%程度のプレミアムが上乗せされる。
◆TOBのメリット
→市場を通しての株式購入では大量の買い注文につられて株価が上昇するリスクがあるが、TOBでは一定の価格で短期間に大量の株式を購入できる。
投稿者 MBA : 2006年11月16日 08:23
