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2007年01月04日
タツヤ:「レイナちゃん。前回はコーポレートメトリックスの収益性の指標について学んだよね。」
レイナ:「そうですね。利益率やROAなどの指標の計算方法を学びましたけど。」
タツヤ:「それじゃあ、今回残る流動性と回転率の指標を見ていくことにしようか。」
レイナ:「流動性と回転率ですか。」
タツヤ:「そう。まずは流動性指標について見ていこうか。企業っていうのは資金を調達して製造・販売活動に充てているだろう。だから資金は会社にとって血液のようなものということができるんだ。資金の回転が滞って支払い義務を果たせなくなれば、黒字の会社でも倒産することがあるんだよ。だから流動比率を算出して、短期に資金化する資産と短期に支払う負債とを比べて支払能力を評価することが重要になってくるんだ。ここでいう短期とは1年以内のことを言うんだけどね。式で表わすと次のようになるんだよ。」
◎ 流動比率=(流動資産÷流動負債)×100
レイナ:「流動比率は企業の短期面における支払能力を評価するための指標なんですね。」
タツヤ:「うん。ただ流動資産の中には現預金という実際に支払いに回せる資金だけじゃなく棚卸資産のように現金化に時間のかかるものもあるから注意が必要なんだ。そういった意味で当座比率も重要な指標になってくるんだよ。」
レイナ:「当座比率?」
タツヤ:「そう。当座比率っていうのは分子に現金預金や有価証券など短期間で資金化できる当座資産を用いて、流動負債に対する比率を表わしたものなんだ。式で表わすと次のようになるんだよ。」
◎ 当座比率=(当座資産÷流動負債)×100
レイナ:「ということはこの当座比率が高ければ当面の支払い能力は安全と言えるわけね。」
タツヤ:「そうだね。これら2つの指標をチェックして、常に企業の支払能力に気を配る必要があるんだよ。それじゃあ、次は回転率指標について見ていこう。」
レイナ:「いよいよコーポレートメトリックス最後の回転率指標ですね。」
タツヤ:「そう。企業の収益力は、投入した資金の効率的な運用によって利益を上げられるかどうかが決定するんだ。ここで各種の回転率が高ければ、それだけ効率的な運用が行われているっていうことになるんだよ。」
レイナ:「各種の回転率ってどんなものがあるんですか?」
タツヤ:「うん。じゃあ代表的な回転率の指標を見ていこう。まず固定資産回転率っていう指標があるんだ。式に表わすと次のようになるんだ。」
◎ 固定資産回転率=売上高÷固定資産
レイナ:「固定資産回転率っていうのは固定資産が売上に対して何回転しているか、つまり固定資産が効率よく使われているか、売上との相対的な大小でみる指標ね。」
タツヤ:「そうだね。次の指標は棚卸資産回転率なんだ。これは資本が製品・仕掛品・商品などに効率的に投入されているかを見る指標なんだ。この率が低いのは棚卸し資産を過度に保有する非効率な経営で、不良在庫がないか注意する必要もあるんだ。また、棚卸資産には粗利を上乗せ後の売上は対応すべきでないという考えから、分子には売上高の代わりに売上原価を用いる場合もあるんだ。」
◎ 棚卸資産回転率=売上高÷棚卸資産
レイナ:「棚卸資産回転率を分析することによって、資本が製品などに効率的に投入されているかがわかるってことね。」
タツヤ:「そして最後の指標が売掛金に関するものなんだ。売掛金については、売上高を売掛金で割った回転率のほかに、売掛金回転日数などもあるんだ。この日数は販売から代金回収までどれだけの期間があるかを示しているんだよ。売掛金回転日数は短い方が資金繰り上は望ましいということになるんだ。ただここで注意しなきゃいけないのは売上高のほとんどが信用販売であることが前提になっているんだ。もしそうでなければ、総売上高ではなく掛け売上だけを抽出して使用する必要があるんだよ。」
レイナ:「どうやって売掛金回転率や回転日数を算出することができるんですか?」
タツヤ:「うん。それらは次のような公式で算出することができるんだよ。」
◎ 売掛金回転率=売上高÷売掛金
◎ 売掛金回転日数=売掛金÷1日あたりの売上高
タツヤ:「ただ、これらのコーポレートメトリックスの指標を実務で活用するためには、指標をただ計算して終わりにするだけじゃあ不十分なんだ。」
レイナ:「それじゃあ、どうすればいいんですか?」
タツヤ:「ああ。過去のデータを集めてグラフ化するなどして数年間の動きをつかんだり、競合他社や業界平均水準との比較を行って、各指標からどのような意味が読み取れるか考えて意思決定に役立てることが重要になってくるんだ。」
レイナ:「そうね。ただ単にその年の財務指標を算出してもそれが果たして過去に比べて改善しているのか、同業他社に比べていいものなのかは比較してみないとわからないものね。」
タツヤ:「そうだね。ただ複数の会社について比較するときは、勘定科目名が同じでも対象としている内容が同じとは限らないので、その科目が指しているものについて可能な限り確認しておく必要があるんだ。さらに各種の指標の値の高い低いは相対的なものだから、業種によって平均的な水準がかなり違う場合もあるから注意が必要だね。」
【MBA講座:今回のTake Away】
◆コーポレートメトリックス(流動性の指標)
1.流動比率=(流動資産÷流動負債)×100
2.当座比率=(当座資産÷流動負債)×100
◆コーポレートメトリックス(回転率の指標)
1.固定資産回転率=売上高÷固定資産
2.棚卸資産回転率=売上高÷棚卸資産
3.売掛金回転率=売上高÷売掛金
4.売掛金回転日数=売掛金÷1日あたりの売上高
◆コーポレートメトリックス実務活用の注意点
1.時系列で比較する
2.競合他社と比較する
投稿者 MBA : 2007年01月04日 14:16
