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2007年06月01日

 ■ マーケティングを左右する顧客の5つのタイプとは?(イノベーター理論とは?)
第135回:マーケティングを左右する顧客の5つのタイプとは?


レイナ:「タツヤ先輩、最近ボトルで1000円ほどする高級シャンプーが続々と発売されるじゃないですか。私なんかは“新し物好き”だから新製品が出ると真っ先に飛びついちゃうんですよね。」

タツヤ:「そういえばレイナちゃんはいつも流行の最先端をいくような買い物が多いよね。俺なんてじっくりその製品の評判や評価を確認しないと購入しないんだけど。」

レイナ:「ほんとタツヤ先輩は仕事もそうですけど、買い物に対しても慎重派ですよね。インターネットなんかで十分な情報をチェックして納得した上でしか買い物をしないんだから・・・」

タツヤ:「まあまあ、お互いに相手の消費スタイルを指摘し合ってもしょうがないよ。でもその消費スタイルにはマーケティング上、重要ポイントが隠されているって知ってた?」

レイナ:「いいえ。ところでその消費スタイルに隠された重要ポイントって何ですか?」

タツヤ:「ああ、企業としては市場で製品を販売する際はどのようなタイプの顧客が製品のライフサイクル上のどの時期に購入するかを把握することによりうまくマーケティングを軌道に乗せることができるってことなんだ。この場合の顧客のタイプ分けにはスタンフォード大学のエベレット・M・ロジャース教授によって確立されたイノベーター理論というものが利用されているんだけどね。」

レイナ:「イノベーター理論?」

タツヤ:「そう。イノベーター理論では消費者を製品購入に対する態度で5つのタイプに分類しているんだ。」

レイナ:「その5つのタイプにはどんなものがあるんですか?」

タツヤ:「ああ、イノベーター、オピニオンリーダー、アーリーマジョリティ、レイトマジョリティ、ラガードというものなんだよ。」

レイナ:「やけに難しいカタカナ用語ですね(^^;」

タツヤ:「用語は難しいかもしれないけど、概念は簡単だから説明していこうか。まず、最初のタイプはイノベーターと呼ばれ、日本語では革新者と訳されているんだ。全体の2.5%の消費者がこの層に属するんだよ。」

レイナ:「革新者って言うぐらいだから、このタイプは新しいものが大好きで、またそれを購入するだけの経済的余裕のある消費者かしら。すぐに新製品に飛びつく私は革新者ってことね(^^)」

タツヤ:「そうだね。革新者は消費者全体の2.5%にしか存在しないから非常に珍しい存在って言えるよね。加えて社会的通念にとらわれず独自の判断で新技術や新ノウハウを使い始めるのもこのタイプの特徴なんだよ。」

レイナ:「社会的通念にとらわれないってことは“個性的”ととらえていいのね(^^)」

タツヤ:「それから、次のタイプはオピニオンリーダーで日本語では初期少数採用者と呼ばれているんだ。この層は消費者全体の13.5%を占めるんだよ。」

レイナ:「次のタイプは初期少数採用者ですか。このタイプは文字通りオピニオンリーダーになる存在ですよね。新しい製品に対して主観的評価を周りの者に伝えて新製品が社会に普及する重要な役目を担う消費者ってことか。」

タツヤ:「そういうこと。そして、次はアーリーマジョリティで初期多数採用者なんだけど、この消費者層は非常に多くて全体の34%を占めるんだ。」

レイナ:「初期多数採用者は消費者全体の3分の1以上に達するってことですか。そして、このタイプの消費者はオピニオンリーダーの意見や評価を参考にして新製品の購入を決定する消費者なんですね。」

タツヤ:「そうだね。次はレイトマジョリティもしくは後期多数採用者と呼ばれ、このタイプも消費者の34%を占めるんだ。」

レイナ:「後期多数採用者はタツヤ先輩みたいに新製品の購入に慎重で、前の3タイプの消費者によっての新製品の評価が出揃ったところで購入に踏み切る消費者ってことですね。」

タツヤ:「そう。そして最後はラガードまたは伝統主義者と呼ばれ、消費者の16%はこのタイプに属するんだよ。」

レイナ:「伝統主義者は伝統的なライフスタイルを守って、新製品には目もくれない人達ということか。」

タツヤ:「そうだね。ロジャースによれば製品の普及はまず少数のイノベーターやオピニオンリーダーがカギを握っているんだ。この比較的少数の消費者層で高い評価が得られれば次のアーリーマジョリティが消費し始めることによって市場が一気に拡大してくるんだ。そして、遂にはレイトマジョリティ層へと波及していく過程を辿って新製品は市場に浸透していくんだ。」

レイナ:「ということは、企業にとって自社の新製品を市場に普及させるためには、いきなり大きなシェアを占めるからといってアーリーマジョリティやレイトマジョリティにアプローチするのではなく、まず最初にイノベーターやオピニオンリーダーに積極的に語りかけていくことが重要になってくると言えるんですね。」


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【MBA講座:今回のTake Away】

◆イノベーター理論とは?
→スタンフォード大学のエベレット・M・ロジャース教授によって確立された理論。顧客をイノベーター、オピニオンリーダー、アーリーマジョリティ、レイトマジョリティ、ラガードという5つのタイプに分類するもの。

◆イノベーター
→革新者。新しいものが大好きで、またそれを購入するだけの経済的余裕のある消費者。社会的通念にとらわれず独自の判断で新技術や新ノウハウを使い始める。消費者全体の2.5%に相当する。

◆オピニオンリーダー
→初期少数採用者。新しい製品に対して主観的評価を周りの者に伝えて新製品が社会に普及する重要な役目を担う消費者。消費者全体の13.5%を占める。

◆アーリーマジョリティ
→初期多数採用者。オピニオンリーダーの意見や評価を参考にして新製品の購入を決定する消費者。消費者全体の34%に達する。

◆レイトマジョリティ
→後期多数採用者。新製品の購入に慎重で、前の3タイプの消費者によっての新製品の評価が出揃ったところで購入に踏み切る消費者。アーリーマジョリティと同じく消費者全体の34%を占める。

◆ラガード
→伝統的なライフスタイルを守って、新製品には目もくれない消費者。消費者の16%がこのタイプ。

◆イノベーター理論とマーケティング
→企業は製品のライフサイクルと消費者のタイプを見極めて適切なマーケティング戦略を構築していくことにより最高の結果を出すことが可能になる。

投稿者 MBA : 2007年06月01日 16:17