2007年03月08日
 ■ 為替変動のリスク要因“円キャリー取引”って何?

レイナ:「タツヤ先輩、2月末に上海株式市場の暴落に始まった世界同時株安で日本の市場もおかしくなってきていますよね。」


タツヤ:「そうだね。日経平均株価も1万8千円台に乗せたと思ったらこの世界同時株安で1万6千円台まで下落しちゃっただろう。」


レイナ:「世界同時株安以降、円レートも急激に円高に振れたから、輸出企業が多い日本企業の先行きを不安視して更に株が売り込まれるという展開でしたね。」


タツヤ:「為替も120円台だったのが急激に115円台まで円高が進んだからね。ただ、この円高には現代特有の事情が背景にあるんだよ。」


レイナ:「その円高の原因て何なんですか?」


タツヤ:「ああ、その原因は円キャリー取引と呼ばれるものなんだ。」


レイナ:「円キャリー取引?」


タツヤ:「そう。今、日本はついこの前利上げしたとはいえ政策金利は0.5%だろう。この金利は世界の主要国であるアメリカの5.25%やヨーロッパの3.5%に比べて異常に低い水準にあるんだ。通常レイナちゃんだったらこのような金利差があったらどうする?」


レイナ:「そうですね。金利の安いところで借りて、金利の高いところで運用すれば、自己資金が無くても利鞘を稼ぐことができますね。」


タツヤ:「そうだろう。だから、レイナちゃんと同じように世界のヘッジファンドはこの金利差を利用して、利鞘を稼ぐ取引を拡大しているんだ。この取引が円キャリー取引と呼ばれるものなんだ。」


レイナ:「ということは日本で低金利で資金を調達し、それを金利の高い欧米で運用して利益を上げる取引が円キャリー取引っていうことですね。」


タツヤ:「そう。だから日本で円を借りて、それを現地の通貨に変換して運用するということで円キャリー取引は円安の要因にもなっているんだ。」


レイナ:「円を売って現地通貨を買うということで円安を誘発するんですね。でもそれがなんで今回の逆の円高に繋がったんですか?」


タツヤ:「ああ、今回の世界同時株安で日本円で調達して運用していた資金を解消する流れができたんだ。ということは円キャリー取引の逆の流れだから、急激な円高が進む要因になったっていうことさ。」


レイナ:「同時株安で世界の金融市場が不安定になったから、世界のヘッジファンドが一旦円キャリー取引を解消してリスクを避ける行動に出たんですね。だから、現地通貨を売って円を買い戻す動きが加速して円高に振れたってことね。それだけ円キャリー取引は為替市場に与えるインパクトが大きいってことが言えますね。」


タツヤ:「そうだね。円キャリー取引の主役はヘッジファンドなんだけど、個人においても今爆発的な人気を誇る少額の資金で数倍の為替売買取引が可能なFXなども円キャリー取引に分類されるんだ。これらの取引を合わせた規模は正確な数字は把握されていないけど今では数十兆円と言われているんだ。だからこの円キャリー取引は現在の為替水準を決定する大きな要因になっているんだよ。」


レイナ:「貿易による売上が大きい企業にとっては安定した為替相場が理想ですけど、現代は実需に基づく為替の変動よりも、投資による為替の変動の方が影響力を強めているから、事業計画を立てるのが難しそうですね。」


タツヤ:「たとえばトヨタ自動車などは1円円高に振れると300億円の利益が吹き飛んでしまうと言われているんだ。このような企業にとっては為替の乱高下というのは極力避けたいところなんだけどね。」


レイナ:「今日本経済を牽引している主要企業は輸出が主力の企業ですものね。そのような企業にとってはこの円キャリー取引っていうのは頭の痛い存在なんですね。」


+*----------------------------------------------------------------*+
【MBA講座:今回のTake Away】


◆円キャリー取引とは?
→資金を金利の低い円で調達し、現地通貨に交換して株式や債券、商品先物などで運用し、利益を上げる金融取引。

◆円キャリー取引の為替相場に与える影響
→円を売って現地通貨を買う取引なので円安の要因になる。円キャリー取引の解消は逆に現地通貨を売って、円を買う取引なので円高の要因になる。世界同時株安後の急激な円高は円キャリー取引の解消に伴って起こった。

◆円キャリー取引の主要プレーヤー
→機関投資家などから大口の資金を集めて運用するヘッジファンドが主要プレーヤーであるが、現在は少額でも数倍の為替売買ができるFX取引が個人投資家を中心に人気を集め、円キャリー取引の一部を担っている。

◆円キャリー取引の規模
→統計がないために正確な規模は不明であるが、財務省の財務官によれば数十兆円の規模に達している。

投稿時間 : 08:33 個別ページ表示

 ■ 為替変動のリスク要因“円キャリー取引”って何?

レイナ:「タツヤ先輩、2月末に上海株式市場の暴落に始まった世界同時株安で日本の市場もおかしくなってきていますよね。」


タツヤ:「そうだね。日経平均株価も1万8千円台に乗せたと思ったらこの世界同時株安で1万6千円台まで下落しちゃっただろう。」


レイナ:「世界同時株安以降、円レートも急激に円高に振れたから、輸出企業が多い日本企業の先行きを不安視して更に株が売り込まれるという展開でしたね。」


タツヤ:「為替も120円台だったのが急激に115円台まで円高が進んだからね。ただ、この円高には現代特有の事情が背景にあるんだよ。」


レイナ:「その円高の原因て何なんですか?」


タツヤ:「ああ、その原因は円キャリー取引と呼ばれるものなんだ。」


レイナ:「円キャリー取引?」


タツヤ:「そう。今、日本はついこの前利上げしたとはいえ政策金利は0.5%だろう。この金利は世界の主要国であるアメリカの5.25%やヨーロッパの3.5%に比べて異常に低い水準にあるんだ。通常レイナちゃんだったらこのような金利差があったらどうする?」


レイナ:「そうですね。金利の安いところで借りて、金利の高いところで運用すれば、自己資金が無くても利鞘を稼ぐことができますね。」


タツヤ:「そうだろう。だから、レイナちゃんと同じように世界のヘッジファンドはこの金利差を利用して、利鞘を稼ぐ取引を拡大しているんだ。この取引が円キャリー取引と呼ばれるものなんだ。」


レイナ:「ということは日本で低金利で資金を調達し、それを金利の高い欧米で運用して利益を上げる取引が円キャリー取引っていうことですね。」


タツヤ:「そう。だから日本で円を借りて、それを現地の通貨に変換して運用するということで円キャリー取引は円安の要因にもなっているんだ。」


レイナ:「円を売って現地通貨を買うということで円安を誘発するんですね。でもそれがなんで今回の逆の円高に繋がったんですか?」


タツヤ:「ああ、今回の世界同時株安で日本円で調達して運用していた資金を解消する流れができたんだ。ということは円キャリー取引の逆の流れだから、急激な円高が進む要因になったっていうことさ。」


レイナ:「同時株安で世界の金融市場が不安定になったから、世界のヘッジファンドが一旦円キャリー取引を解消してリスクを避ける行動に出たんですね。だから、現地通貨を売って円を買い戻す動きが加速して円高に振れたってことね。それだけ円キャリー取引は為替市場に与えるインパクトが大きいってことが言えますね。」


タツヤ:「そうだね。円キャリー取引の主役はヘッジファンドなんだけど、個人においても今爆発的な人気を誇る少額の資金で数倍の為替売買取引が可能なFXなども円キャリー取引に分類されるんだ。これらの取引を合わせた規模は正確な数字は把握されていないけど今では数十兆円と言われているんだ。だからこの円キャリー取引は現在の為替水準を決定する大きな要因になっているんだよ。」


レイナ:「貿易による売上が大きい企業にとっては安定した為替相場が理想ですけど、現代は実需に基づく為替の変動よりも、投資による為替の変動の方が影響力を強めているから、事業計画を立てるのが難しそうですね。」


タツヤ:「たとえばトヨタ自動車などは1円円高に振れると300億円の利益が吹き飛んでしまうと言われているんだ。このような企業にとっては為替の乱高下というのは極力避けたいところなんだけどね。」


レイナ:「今日本経済を牽引している主要企業は輸出が主力の企業ですものね。そのような企業にとってはこの円キャリー取引っていうのは頭の痛い存在なんですね。」


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【MBA講座:今回のTake Away】


◆円キャリー取引とは?
→資金を金利の低い円で調達し、現地通貨に交換して株式や債券、商品先物などで運用し、利益を上げる金融取引。

◆円キャリー取引の為替相場に与える影響
→円を売って現地通貨を買う取引なので円安の要因になる。円キャリー取引の解消は逆に現地通貨を売って、円を買う取引なので円高の要因になる。世界同時株安後の急激な円高は円キャリー取引の解消に伴って起こった。

◆円キャリー取引の主要プレーヤー
→機関投資家などから大口の資金を集めて運用するヘッジファンドが主要プレーヤーであるが、現在は少額でも数倍の為替売買ができるFX取引が個人投資家を中心に人気を集め、円キャリー取引の一部を担っている。

◆円キャリー取引の規模
→統計がないために正確な規模は不明であるが、財務省の財務官によれば数十兆円の規模に達している。

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2007年02月22日
 ■ ビール業界再編で話題となっているTOBとは?

レイナ:「タツヤ先輩、最近ビール業界再編の話題が新聞紙上を賑わしてますね。なんでも食品業界再編の時にも主要な役割を演じた投資ファンドのスティールパートナーズが今回も絡んでいるらしいですね。」


タツヤ:「そうだね。スティールパートナーズがサッポロビールに対してTOBを提案して経営権を握ろうと画策しているからね。サッポロビールは恵比寿にガーデンプレースという優良不動産を抱えているし、『エビスビール』というブランドでプレミアムビールの分野ではシェアNo.1の割には株価が低迷していたから、投資ファンドにとっては恰好の投資対象になったんだろうね。」


レイナ:「ところで、そのTOBって一体どんなものなんですか?」


タツヤ:「ああ。TOBっていうのはTake Over Bidの略で株式公開買付のことなんだ。」


レイナ:「株式公開買付?」


タツヤ:「そう。上場企業などの株式会社の株式を5%以上市場外から購入する時は原則TOBを実施する必要があるんだ。また、市場外での株式購入後、議決権割合が3分の1を超える場合は強制的にTOBが適用となるんだよ。」


レイナ:「TOBっていうのはそのように市場で株式を購入するのではなく、あくまでも市場外で株式を購入する手段てことですね。でも、なぜ市場で購入できる株式を市場外で購入する必要があるんでしょう?」


タツヤ:「市場で一時期に多くの株式を購入すると株価が急騰するだろう。株価が急騰すれば買収側の企業にとっては買収価格が当初の計画から大きく乖離する場合が考えられるんだ。一方でTOBによる買収だと公表した買付価格で行なわれるから資金計画も立てやすくなるメリットがあるんだよ。」


レイナ:「そうか。株価って言うのは需要と供給で決まっているから、ある期間に集中して大口の買い注文が入れば、株価が急騰しても不思議ではないものね。その点市場外で買付価格を宣言して株式を購入すれば株価の変動リスクを避けられるってことなんですね。」


タツヤ:「そういうこと。TOBには他にもメリットがあって、買付目標株数に達しない場合は既に応募している株主に株券を返して購入をキャンセルすることができるんだ。」


レイナ:「ということは、経営権を握るために過半数の株式を購入する公開株式買付を実施したとして、結局49%しか買付期間に集まらなかった場合は、買付の申し出をキャンセルができて株式を購入する必要はないってことなんですね。」


タツヤ:「ああ。市場で買付した株式の場合、目標の株式買付数に達しない場合は、市場で買い付けた株を売却する必要があって株価
の変動リスクにさらされるけど、TOBによる株式買付の場合は目標買付数に達しない場合は応募をキャンセルするだけで株式を購入する必要が無いから、失敗した場合でも資金負担のリスクが無いというメリットがあるんだ。」


レイナ:「ふーん。TOBによる企業買収にはそのようなメリットがあるんですね。」



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【MBA講座:今回のTake Away】


◆TOBとは?
→Take Over Bidの略。株式を市場外で公開買付すること。

◆TOBを実施する場合
1.上場企業などの株式会社の株式を5%以上市場外から購入する場合。
2.市場外での株式購入後、議決権割合が3分の1を超える場合。

◆TOBのメリット
1.株価の急騰による資金負担の増大を防ぐ。
2.目標買付数に達しない場合は取引をキャンセルすることができるので買付リスクが発生しない。


 

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 ■ ビール業界再編で話題となっているTOBとは?

レイナ:「タツヤ先輩、最近ビール業界再編の話題が新聞紙上を賑わしてますね。なんでも食品業界再編の時にも主要な役割を演じた投資ファンドのスティールパートナーズが今回も絡んでいるらしいですね。」


タツヤ:「そうだね。スティールパートナーズがサッポロビールに対してTOBを提案して経営権を握ろうと画策しているからね。サッポロビールは恵比寿にガーデンプレースという優良不動産を抱えているし、『エビスビール』というブランドでプレミアムビールの分野ではシェアNo.1の割には株価が低迷していたから、投資ファンドにとっては恰好の投資対象になったんだろうね。」


レイナ:「ところで、そのTOBって一体どんなものなんですか?」


タツヤ:「ああ。TOBっていうのはTake Over Bidの略で株式公開買付のことなんだ。」


レイナ:「株式公開買付?」


タツヤ:「そう。上場企業などの株式会社の株式を5%以上市場外から購入する時は原則TOBを実施する必要があるんだ。また、市場外での株式購入後、議決権割合が3分の1を超える場合は強制的にTOBが適用となるんだよ。」


レイナ:「TOBっていうのはそのように市場で株式を購入するのではなく、あくまでも市場外で株式を購入する手段てことですね。でも、なぜ市場で購入できる株式を市場外で購入する必要があるんでしょう?」


タツヤ:「市場で一時期に多くの株式を購入すると株価が急騰するだろう。株価が急騰すれば買収側の企業にとっては買収価格が当初の計画から大きく乖離する場合が考えられるんだ。一方でTOBによる買収だと公表した買付価格で行なわれるから資金計画も立てやすくなるメリットがあるんだよ。」


レイナ:「そうか。株価って言うのは需要と供給で決まっているから、ある期間に集中して大口の買い注文が入れば、株価が急騰しても不思議ではないものね。その点市場外で買付価格を宣言して株式を購入すれば株価の変動リスクを避けられるってことなんですね。」


タツヤ:「そういうこと。TOBには他にもメリットがあって、買付目標株数に達しない場合は既に応募している株主に株券を返して購入をキャンセルすることができるんだ。」


レイナ:「ということは、経営権を握るために過半数の株式を購入する公開株式買付を実施したとして、結局49%しか買付期間に集まらなかった場合は、買付の申し出をキャンセルができて株式を購入する必要はないってことなんですね。」


タツヤ:「ああ。市場で買付した株式の場合、目標の株式買付数に達しない場合は、市場で買い付けた株を売却する必要があって株価
の変動リスクにさらされるけど、TOBによる株式買付の場合は目標買付数に達しない場合は応募をキャンセルするだけで株式を購入する必要が無いから、失敗した場合でも資金負担のリスクが無いというメリットがあるんだ。」


レイナ:「ふーん。TOBによる企業買収にはそのようなメリットがあるんですね。」



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【MBA講座:今回のTake Away】


◆TOBとは?
→Take Over Bidの略。株式を市場外で公開買付すること。

◆TOBを実施する場合
1.上場企業などの株式会社の株式を5%以上市場外から購入する場合。
2.市場外での株式購入後、議決権割合が3分の1を超える場合。

◆TOBのメリット
1.株価の急騰による資金負担の増大を防ぐ。
2.目標買付数に達しない場合は取引をキャンセルすることができるので買付リスクが発生しない。


 

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2006年10月12日
 ■ 株式交換による買収のメリットとは?

レイナ:「タツヤ先輩、インターネット検索大手のGoogleが無料動画配信で成長著しい新興企業YouTubeを買収するって発表がありましたね。」


タツヤ:「そうだね。Googleはアメリカでは圧倒的な人気を誇る検索エンジンだし、YouTubeはビジネスモデルが確定していないという面はあるけど無料動画配信では50%のシェアを握る勢いのある企業だから今後一緒になってどんなサービスが展開されるか楽しみだね。」


レイナ:「買収価格は16億5千万ドルですって。日本円にするとおよそ1950億円ってとこかしら。潤沢なキャッシュを持つGoogleだからできることですよね。」


タツヤ:「でも今回の買収ではキャッシュは全く使わないんだ。」


レイナ:「16億5千万ドルの買収なのに、キャッシュを使わないってどういうことですか?」


タツヤ:「今回の買収は株式交換で行われるんだ。だからキャッシュは全く使わないってことさ。」


レイナ:「株式交換?」


タツヤ:「そう。株式交換っていうのは買収元企業が新たに株式を発行して、買収先企業の株主の持っている株と交換して買収先の企業を100%子会社にするという方法なんだ。この株式交換を利用すれば買収元の企業はいかに多額の買収でもキャッシュを用意する必要がないってことさ。」


レイナ:「つまり今回Googleは新たに株式を発行してYouTubeの株主の持つ株と交換をするってことですね。そうするとYouTubeはGoogleの100%子会社になるし、YouTubeの株主は株式を交換することによって今度はGoogleの株主になるんですね。」


タツヤ:「そういうこと。加えてこの株式交換はキャッシュを用意しなくていい他にもメリットがあるんだ。」


レイナ:「どんなメリットですか?」


タツヤ:「うん。まずは合併に比べて手続きが簡単にできるということなんだ。合併では法律に基づいて様々な手続きが必要になるけど、株式交換ではケースによっては完全親会社の株主総会の承認決議を経ないで行うことができる“簡易な株式交換手続”という規定もあるんだ。」


レイナ:「法律に基づいた手続きってなんだか面倒くさそうですからね。」


タツヤ:「そう。他にもメリットがあって株式交換による買収では法律的には別法人という形になっているから、別法人としての運営が可能になるんだ。だから買収先の企業の従業員や取引先の心理的抵抗は合併に比べて低くなるんだよ。」


レイナ:「そういえば、ニュースを見るとYouTubeの経営者はこれまで売却を否定してきたけど、独立の道が確保できたので売却に踏み切ったってことを言っていたわね。」


タツヤ:「まだまだ株式交換のメリットはあって、株価が上昇局面では結果的に割安で企業買収を行えるっていうことなんだ。今回の買収でも実際にGoogleがYouTube買収の憶測が市場に流れてからGoogle株は2%値上がりして2日間で時価総額が40億ドルほど増えているんだ。」


レイナ:「40億ドルっていうと今回の買収の2倍以上の金額になりますね。こうしてみると株式交換による買収はメリットばかりのようですけど・・・」


タツヤ:「もちろん、デメリットもあるよ。株価が低水準で推移している場合は割高になる可能性だってあるし、いくら手続きが合併に比べて簡単と言えどもやはりキャッシュで買うよりは煩雑な手続きが必要になるんだ。他にも部門の買収という部分的な買収はできないから、債務などを含めて企業一切を引き受けなきゃいけないんだ。」


レイナ:「企業側とすると状況に応じて最適な買収方法を選択するオプションがあるんですね。」

 

 【MBA講座:今回のTake Away】

◆株式交換とは?
→買収元企業が新たに株式を発行して、買収先企業の株主の持っている株と交換して買収先の企業を100%子会社にするという方法。


◆株式交換の手続き
1.株式交換契約書を作成
2.両当事会社において株主総会の承認決議

→ケースによっては親会社の株主総会の承認決議を経ないで行うことができる“簡易な株式交換手続”の規定もある。


◆株式交換のメリット
1.現金を用意する必要がない。
2.合併に比べて手続きが簡単。
3.法律的には別法人のため、別法人としての運営が可能。
4.別法人のため、取引先や従業員の抵抗が少ない。
5.株式が高水準の場合は割安で買収が行える。


◆株式交換のデメリット
1.株価が低水準で推移している場合は割高になる場合がある。
2.キャッシュによる買収に比べれば手続きが煩雑。
3.一部門の買収はできない。債務などを含めて全てを引き継がなければいけない。

投稿時間 : 18:29 個別ページ表示

2006年10月05日
 ■ 株式投資判断指標その2:ROE

タツヤ:「レイナちゃん、前回は株式投資の判断基準としてPERとPBRを勉強したのを憶えているかな? 」


レイナ:「えぇ、PERっていうのは株価を1株当たりの収益で割って株価水準が割安なのか割高なのかを判断する指標でしたし、PBRは株価を1株当たりの純資産で割ってその株価水準を測る指標でしたね。」


タツヤ:「そうだね。そしてPER、PBRともに比較して低い方が割安株になるっていうことだったね。じゃあ、今回はこれらに加えてROEについてみていくことにしよう。」


レイナ:「ROEですか。」


タツヤ:「そう。ROEっていうのはReturn on Equityの略なんだけど、企業が株主から預かった資金をどれだけ効率よく利用しているかを図る指標なんだ。」


レイナ:「企業が株主から預かった資金をどれだけ効率よく利用しているかってどういう風に図ることができるんですか?」


タツヤ:「あぁ、ROEは税引き後の利益を株主資本で割ってパーセンテージを求めることになるんだよ。」


レイナ:「ということは株主資本を効率的に活用している企業、つまりROEがより高い企業に投資すればいいってことですね。」


タツヤ:「そうだね。特に欧米の投資家はこのROEを重視して投資を決めているんだ。それほど企業にとっては重要な指標のうちの一つなんだよ。」


レイナ:「それじゃあ、投資される企業側にとってはこのROEを上げるのに必死にならなきゃいけないですね。」


タツヤ:「そういうこと。企業側にとっては、ROEを高めるには2つの方法があって、総資産に対する利益の割合を高めるか、負債比率を高めていけばいいんだ。それはROEを求める公式を分解してみればわかるんだけどね。」


レイナ:「公式を分解してみればいいって一体どういうことですか?」


タツヤ:「ROEというのは税引き後利益を株主資本で割ったものだろう。これを分解してみるとROE=(税引き後利益÷総資産)×(総資産÷株主資本)とすることができるんだ。ここで(税引き後利益÷総資産)はReturn on Assets、略してROAと呼ばれる指標だし、(総資産÷株主資本)は財務レバレッジと呼ばれる指標だから、ROE=ROA×財務レバレッジと置き直す事ができるんだよ。」


レイナ:「そうするとROE=ROA×財務レバレッジだからROAを向上させるか、財務レバレッジを利かせることによってROEを向上させることができるんですね。」


タツヤ:「そう。ROEについても簡単な事例で見てみると、たとえば株主資本10億円の企業が1億円の税引き後利益であればROEは10%になるし、株主資本が5億円の企業が8千万円の税引き後利益だとROEは16%となるってことなんだ。」


レイナ:「投資家とすると利益額の大きさではなく資本効率で判断するから、後者のROEの高い方に好んで投資することになるんですね。」


 

【MBA講座:今回のTake Away】

◆ROEとは?
→Return on Equity。税引き後の利益を株主資本で割って求められる。


◆ROE計算式の分解
ROE=税引き後利益÷株主資本
   =(税引き後利益÷総資産)×(総資産÷株主資本)
   =ROA×財務レバレッジ


◆ROEの向上策
→ROAを高めるか、負債比率を高めて財務レバレッジを利かせる。


◆ROAとは?
→Return on Assets。税引き後利益を総資産で割って求められる。


◆財務レバレッジとは?
→株主資本に対する総資本の倍率。財務レバレッジが高いほど「てこ」の原理で自己資本を使わずに事業を行っていることになる。

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2006年09月28日
 ■ 株式投資判断指標その1:PERとPBR

レイナ:「タツヤ先輩、最近景気回復のお陰で株式市場が堅調に推移してますよね。私もお小遣いをちょっとした株式投資に充てようと思うんですけどどんな株に投資すればいいか何か判断するコツみたいなものはないんですか?」

 

タツヤ:「株式投資か。株っていうのは玄人でも利益を上げ続けるのは難しいから、レイナちゃんみたいな素人は少ない資金でまずは練習から始めるといいよね。」

 

レイナ:「今ではミニ株のようにちょっとした資金で株式投資ができるって言うじゃないですか。でも銘柄の選定に迷っちゃって。」

 

タツヤ:「そうか。それじゃあ、株式銘柄を選ぶ際の基本について見ていくことにしようか。大体、投資家が株に投資する際にはいくつかの指標を用いて投資する株が割安か割高かを判断しているんだ。」

 

レイナ:「それってどんな指標なんですか?」

 

タツヤ:「ああ、まずはPERと言って1株当たりの収益と株価を比較して株価水準が割安なのか割高なのかを判断する指標があるんだ。このPERは株価を1株当たりの収益で割ってその倍率を見ていくことになるんだよ。」

 

レイナ:「PERですか。」

 

タツヤ:「そう。じゃあ、実際にPERを算出して株価水準の比較をしてみようか。たとえば、発行済み株式数が1万株の企業が1億円の収益を上げたとするだろう。その企業の株価が現在1万円だったとすると、1株当たりの収益は1万円だからPERは1万円を1万円で割って1倍ということになる。一方で発行済み株式数が5千株の企業が1億円の収益を上げていて株価が3万円だったとすると、株価3万円を1株当たりの収益2万円で割って1.5倍。この時2社のPERを比べて低い方が割安の株ということになるんだ。」

 

レイナ:「そうするとこの場合1株当たりの収益と株価水準を見ていくとPER1.5倍の企業の方が1倍の企業よりも市場で高く評価されているってことですね。だからPERが低い1倍の会社の株の方が割安株っていうことができるんですね。」

 

タツヤ:「そう。次の指標はPBRと言って株価を1株当たりの純資産で割ってその水準を測るんだ。たとえば、株価と1株当たりの純資産が等しければPBRは1となって、もしこの企業がその時点で解散することになっても、企業には株主資本と同等の資産価値があるから株主はとりっぱぐれることがないってことになるんだよ。」

 

レイナ:「ということはPBRっていうのは高ければ割高だし、1より小さければ割安ってことになるんですね。」

 

タツヤ:「そうだね。ただPBRっていうのは通常1より小さいってことは考えられないんだ。もし1より小さければ全ての株式をそこで購入して解散すれば、その瞬間利益を得ることができるからね。ただ、バブル崩壊後の日本では不動産や株式などが下落しているから帳簿に記載されている簿価と時価の間に乖離が発生している場合があるだろう。そうなると、その簿価を時価に引き直して1株当たりの純資産を求める必要があるんだ。」

 

レイナ:「バブル期に不動産や有価証券を高値で掴んだ企業は今その資産が値下がりしているから、資産を時価で見ないとPBRを計算して割安だと思ってたら不良資産を抱えている企業だったってことになりかねないですね。」

 

タツヤ:「そう。このPBRも簡単な事例で紹介すると、たとえば、株式総数100株の企業の株価が1千円で、その純資産が5万円とすると1株当たりの純資産は500円だからPBRは1千円を500円で割って2倍となる。一方で株式総数200株の企業の株価が900円で、その純資産が12万円とすると1株当たりの純資産は600円だから900円を600円で割って1.5倍ということになる。」

 

レイナ:「そうするとPBRは前者が2倍、後者が1.5倍ですから、後者の方が割安と結論付けることができるわけですね。」

 

タツヤ:「その通り。他にもいくつかの指標があるから次回は残りの指標についても見ていくことにしよう。」

 

【MBA講座:今回のTake Away】

◆PERとは?

→1株当たりの収益と株価を比較して株価水準が割安なのか割高なのかを判断する指標。株価を1株当たりの収益で割ってその倍率を求める

 

◆PERのの事例

発行済み株式数:1万株

収益:1億円

株価:1万円

PER=1万円/(1億円÷1万株)=1.0

 

発行済み株式数:5千株

収益:1億円

株価:3万円

PER=3万円/(1億円÷5千株)=1.5

 

→PERの低い株の方が割安となる。

 

◆PBRとは?

→株価を1株当たりの純資産で割ってその株価水準を測る指標。

 

◆PERのの事例

株式総数:100株

株価:1千円

純資産:5万円

PBR=1千円/(5万円÷100株)=2.0

 

株式総数:200株

株価:900円

純資産:12万円

PBR=900円/(12万円÷200株)=1.5

 

→PBRの低い方が割安となる。

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2006年07月27日
 ■ 金銭の時間的価値:今日の100円と明日の100円の違いとは?

レイナ:「あー、交通費を経理に請求するのを忘れてた。まあ、面倒くさいし、また明日でもいいか。」

タツヤ:「レイナちゃん、そんなこと言ってて大丈夫かな?今日もらう交通費と明日もらう交通費には価値の違いがあるのを知らないんじゃないの?」

レイナ:「えっ、交通費を今日もらうのと明日もらうのじゃあ金額が違うってことなんですか?大幅に減額されるなら今日申請しますけど、まさか金額が変わるってことはないでしょう。」

タツヤ:「ファイナンスでは「今日の100円は明日の100円よりも価値がある」とされているんだ。だから同じ金額であれば1分1秒でも早く手に入れた方が価値が高まるんだよ。」

レイナ:「でも同じ金額でしょう?たった1日の違いでそんなに価値が変わるとは思えないですけど。」

タツヤ:「そうかな。たとえばレイナちゃんが今日交通費を請求して現金を受け取った後、銀行の口座に入れたらどうなる?」

レイナ:「そうね。今は銀行の預金なんて金利は雀の涙ほどだけど、先日日銀がゼロ金利を解除したことで預金金利が100倍とか200倍になったというニュースもあったし、小額でもいくらかの利息はつきますよね。」

タツヤ:「まあ、うちの会社には起こりえないと思うけど、明日会社が急に不渡り手形を出して交通費の立替分を踏み倒される可能性だってあるし、レイナちゃんが購入しようとしていた商品が、急に値上がりして1日でも早くお金を手にしていれば買えたであろう商品が購入できなくなる可能性だってあるだろう。つまり、将来のお金の価値には不確実性が伴うっていうことになるんだ。」

レイナ:「タツヤ先輩にそこまで脅されれば、「今日の100円の方が明日の100円より価値がある」っていうのは真実味が出てきますよね。」

タツヤ:「そうだろう。じゃあ、実際に時間にはどのくらいの価値があるか実際に計算してみようか。たとえば、市場の金利が5%とすると今日受け取る1万円と1年後に受け取る1万円にはどのくらい価値の差があると思う。」

レイナ:「今日1万円もらって銀行に預けたら5%の利息がついて1万500円になるわけでしょう。ということは1年後には500円の価値の開きができるということになりますね。」

タツヤ:「レイナちゃんの計算だと1年後には500円の価値の違いが生じることになるね。じゃあ、次は1年後の1万円を今日の価値に引きなおしてみようか。このように将来受け取るお金を今日の価値に引きなおすことは貨幣の現在価値って呼ばれているんだ。」

レイナ:「貨幣の現在価値か。将来と現在の貨幣の価値は違うっていうことからそのような考え方をすることができるんですね。その場合は、市場金利が5%ですから、1年後の1万円の現在価値を求めるには1万円を105%で割ればいいわけですよね。そうすると9524円が現在価値っていうことになりますけど。」

タツヤ:「そうだね。今レイナちゃんが計算したようにN年後に受け取るお金の現在価値を求めるには将来受け取る金額を(100%+金利)のN乗で割り戻せばいいんだ。公式にすると(現在価値)=(将来受け取る金額)÷[(100%+金利)×N乗]ということになるんだけどね。」

レイナ:「でもタツヤ先輩、そのような現在価値の算出方法を知ってどんなことに応用できるんですか?」

タツヤ:「うん、たとえば年金の問題。市場金利が5%の時、政府が1年後に1万円受け取るか、今日9500円受け取るか選択を迫った場合などはこの現在価値で同じ評価軸の上に立って判断する必要があるだろう。」

レイナ:「この場合は1年後の1万円の現在価値は9524円ですから、今日の9500円と比べて1年後の1万円は今日の価値で24円高いという結果になりますね。ということはタツヤ先輩の言ったような事例の決断を迫られたら、1年後の1万円を選ぶ方が賢明な選択になるというわけですね。」

タツヤ:「そう。このように受け取る期日の違うお金を比較するときは現在価値という考え方を用いて基準を合わせて比較することが重要になるんだ。「今日の100円は明日の100円よりも価値がある」ということを肝に銘じておけば交通費の請求を1日でも伸ばすことが自分にとって不利益となることがこれでわかったかな。」



【MBA講座:今回のTake Away】
 

◆金銭の時間的価値とは?
→今日の100円は明日の100円と価値が違うという概念

◆事例:今日の1万円と1年後の1万円の価値の違い
(市場金利が5%の場合)
今日の価値→1万円
1年後の価値→1万円×105%=1万500円

◆貨幣の現在価値とは?
→将来の金銭的価値を現在の価値に引き直すこと

◆事例:1年後の1万円の現在価値
(市場金利が5%の場合)
1万円÷105%=9524円

◆貨幣の現在価値の公式
(現在価値)=(将来受け取る金額)÷[(100%+金利)×N乗]

◆現在価値の利用法
→たとえば年金問題などで、市場金利が5%の時、政府が1年後に1万円受け取るか、今日9500円受け取るか選択を迫った場合などは現在価値で同じ評価軸の上に立って判断することができる。

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 ■ 金銭の時間的価値:今日の100円と明日の100円の違いとは?

レイナ:「あー、交通費を経理に請求するのを忘れてた。まあ、面倒くさいし、また明日でもいいか。」

タツヤ:「レイナちゃん、そんなこと言ってて大丈夫かな?今日もらう交通費と明日もらう交通費には価値の違いがあるのを知らないんじゃないの?」

レイナ:「えっ、交通費を今日もらうのと明日もらうのじゃあ金額が違うってことなんですか?大幅に減額されるなら今日申請しますけど、まさか金額が変わるってことはないでしょう。」

タツヤ:「ファイナンスでは「今日の100円は明日の100円よりも価値がある」とされているんだ。だから同じ金額であれば1分1秒でも早く手に入れた方が価値が高まるんだよ。」

レイナ:「でも同じ金額でしょう?たった1日の違いでそんなに価値が変わるとは思えないですけど。」

タツヤ:「そうかな。たとえばレイナちゃんが今日交通費を請求して現金を受け取った後、銀行の口座に入れたらどうなる?」

レイナ:「そうね。今は銀行の預金なんて金利は雀の涙ほどだけど、先日日銀がゼロ金利を解除したことで預金金利が100倍とか200倍になったというニュースもあったし、小額でもいくらかの利息はつきますよね。」

タツヤ:「まあ、うちの会社には起こりえないと思うけど、明日会社が急に不渡り手形を出して交通費の立替分を踏み倒される可能性だってあるし、レイナちゃんが購入しようとしていた商品が、急に値上がりして1日でも早くお金を手にしていれば買えたであろう商品が購入できなくなる可能性だってあるだろう。つまり、将来のお金の価値には不確実性が伴うっていうことになるんだ。」

レイナ:「タツヤ先輩にそこまで脅されれば、「今日の100円の方が明日の100円より価値がある」っていうのは真実味が出てきますよね。」

タツヤ:「そうだろう。じゃあ、実際に時間にはどのくらいの価値があるか実際に計算してみようか。たとえば、市場の金利が5%とすると今日受け取る1万円と1年後に受け取る1万円にはどのくらい価値の差があると思う。」

レイナ:「今日1万円もらって銀行に預けたら5%の利息がついて1万500円になるわけでしょう。ということは1年後には500円の価値の開きができるということになりますね。」

タツヤ:「レイナちゃんの計算だと1年後には500円の価値の違いが生じることになるね。じゃあ、次は1年後の1万円を今日の価値に引きなおしてみようか。このように将来受け取るお金を今日の価値に引きなおすことは貨幣の現在価値って呼ばれているんだ。」

レイナ:「貨幣の現在価値か。将来と現在の貨幣の価値は違うっていうことからそのような考え方をすることができるんですね。その場合は、市場金利が5%ですから、1年後の1万円の現在価値を求めるには1万円を105%で割ればいいわけですよね。そうすると9524円が現在価値っていうことになりますけど。」

タツヤ:「そうだね。今レイナちゃんが計算したようにN年後に受け取るお金の現在価値を求めるには将来受け取る金額を(100%+金利)のN乗で割り戻せばいいんだ。公式にすると(現在価値)=(将来受け取る金額)÷[(100%+金利)×N乗]ということになるんだけどね。」

レイナ:「でもタツヤ先輩、そのような現在価値の算出方法を知ってどんなことに応用できるんですか?」

タツヤ:「うん、たとえば年金の問題。市場金利が5%の時、政府が1年後に1万円受け取るか、今日9500円受け取るか選択を迫った場合などはこの現在価値で同じ評価軸の上に立って判断する必要があるだろう。」

レイナ:「この場合は1年後の1万円の現在価値は9524円ですから、今日の9500円と比べて1年後の1万円は今日の価値で24円高いという結果になりますね。ということはタツヤ先輩の言ったような事例の決断を迫られたら、1年後の1万円を選ぶ方が賢明な選択になるというわけですね。」

タツヤ:「そう。このように受け取る期日の違うお金を比較するときは現在価値という考え方を用いて基準を合わせて比較することが重要になるんだ。「今日の100円は明日の100円よりも価値がある」ということを肝に銘じておけば交通費の請求を1日でも伸ばすことが自分にとって不利益となることがこれでわかったかな。」



【MBA講座:今回のTake Away】
 

◆金銭の時間的価値とは?
→今日の100円は明日の100円と価値が違うという概念

◆事例:今日の1万円と1年後の1万円の価値の違い
(市場金利が5%の場合)
今日の価値→1万円
1年後の価値→1万円×105%=1万500円

◆貨幣の現在価値とは?
→将来の金銭的価値を現在の価値に引き直すこと

◆事例:1年後の1万円の現在価値
(市場金利が5%の場合)
1万円÷105%=9524円

◆貨幣の現在価値の公式
(現在価値)=(将来受け取る金額)÷[(100%+金利)×N乗]

◆現在価値の利用法
→たとえば年金問題などで、市場金利が5%の時、政府が1年後に1万円受け取るか、今日9500円受け取るか選択を迫った場合などは現在価値で同じ評価軸の上に立って判断することができる。

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