2007年06月01日
 ■ マーケティングを左右する顧客の5つのタイプとは?(イノベーター理論とは?)

第135回:マーケティングを左右する顧客の5つのタイプとは?


レイナ:「タツヤ先輩、最近ボトルで1000円ほどする高級シャンプーが続々と発売されるじゃないですか。私なんかは“新し物好き”だから新製品が出ると真っ先に飛びついちゃうんですよね。」

タツヤ:「そういえばレイナちゃんはいつも流行の最先端をいくような買い物が多いよね。俺なんてじっくりその製品の評判や評価を確認しないと購入しないんだけど。」

レイナ:「ほんとタツヤ先輩は仕事もそうですけど、買い物に対しても慎重派ですよね。インターネットなんかで十分な情報をチェックして納得した上でしか買い物をしないんだから・・・」

タツヤ:「まあまあ、お互いに相手の消費スタイルを指摘し合ってもしょうがないよ。でもその消費スタイルにはマーケティング上、重要ポイントが隠されているって知ってた?」

レイナ:「いいえ。ところでその消費スタイルに隠された重要ポイントって何ですか?」

タツヤ:「ああ、企業としては市場で製品を販売する際はどのようなタイプの顧客が製品のライフサイクル上のどの時期に購入するかを把握することによりうまくマーケティングを軌道に乗せることができるってことなんだ。この場合の顧客のタイプ分けにはスタンフォード大学のエベレット・M・ロジャース教授によって確立されたイノベーター理論というものが利用されているんだけどね。」

レイナ:「イノベーター理論?」

タツヤ:「そう。イノベーター理論では消費者を製品購入に対する態度で5つのタイプに分類しているんだ。」

レイナ:「その5つのタイプにはどんなものがあるんですか?」

タツヤ:「ああ、イノベーター、オピニオンリーダー、アーリーマジョリティ、レイトマジョリティ、ラガードというものなんだよ。」

レイナ:「やけに難しいカタカナ用語ですね(^^;」

タツヤ:「用語は難しいかもしれないけど、概念は簡単だから説明していこうか。まず、最初のタイプはイノベーターと呼ばれ、日本語では革新者と訳されているんだ。全体の2.5%の消費者がこの層に属するんだよ。」

レイナ:「革新者って言うぐらいだから、このタイプは新しいものが大好きで、またそれを購入するだけの経済的余裕のある消費者かしら。すぐに新製品に飛びつく私は革新者ってことね(^^)」

タツヤ:「そうだね。革新者は消費者全体の2.5%にしか存在しないから非常に珍しい存在って言えるよね。加えて社会的通念にとらわれず独自の判断で新技術や新ノウハウを使い始めるのもこのタイプの特徴なんだよ。」

レイナ:「社会的通念にとらわれないってことは“個性的”ととらえていいのね(^^)」

タツヤ:「それから、次のタイプはオピニオンリーダーで日本語では初期少数採用者と呼ばれているんだ。この層は消費者全体の13.5%を占めるんだよ。」

レイナ:「次のタイプは初期少数採用者ですか。このタイプは文字通りオピニオンリーダーになる存在ですよね。新しい製品に対して主観的評価を周りの者に伝えて新製品が社会に普及する重要な役目を担う消費者ってことか。」

タツヤ:「そういうこと。そして、次はアーリーマジョリティで初期多数採用者なんだけど、この消費者層は非常に多くて全体の34%を占めるんだ。」

レイナ:「初期多数採用者は消費者全体の3分の1以上に達するってことですか。そして、このタイプの消費者はオピニオンリーダーの意見や評価を参考にして新製品の購入を決定する消費者なんですね。」

タツヤ:「そうだね。次はレイトマジョリティもしくは後期多数採用者と呼ばれ、このタイプも消費者の34%を占めるんだ。」

レイナ:「後期多数採用者はタツヤ先輩みたいに新製品の購入に慎重で、前の3タイプの消費者によっての新製品の評価が出揃ったところで購入に踏み切る消費者ってことですね。」

タツヤ:「そう。そして最後はラガードまたは伝統主義者と呼ばれ、消費者の16%はこのタイプに属するんだよ。」

レイナ:「伝統主義者は伝統的なライフスタイルを守って、新製品には目もくれない人達ということか。」

タツヤ:「そうだね。ロジャースによれば製品の普及はまず少数のイノベーターやオピニオンリーダーがカギを握っているんだ。この比較的少数の消費者層で高い評価が得られれば次のアーリーマジョリティが消費し始めることによって市場が一気に拡大してくるんだ。そして、遂にはレイトマジョリティ層へと波及していく過程を辿って新製品は市場に浸透していくんだ。」

レイナ:「ということは、企業にとって自社の新製品を市場に普及させるためには、いきなり大きなシェアを占めるからといってアーリーマジョリティやレイトマジョリティにアプローチするのではなく、まず最初にイノベーターやオピニオンリーダーに積極的に語りかけていくことが重要になってくると言えるんですね。」


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【MBA講座:今回のTake Away】

◆イノベーター理論とは?
→スタンフォード大学のエベレット・M・ロジャース教授によって確立された理論。顧客をイノベーター、オピニオンリーダー、アーリーマジョリティ、レイトマジョリティ、ラガードという5つのタイプに分類するもの。

◆イノベーター
→革新者。新しいものが大好きで、またそれを購入するだけの経済的余裕のある消費者。社会的通念にとらわれず独自の判断で新技術や新ノウハウを使い始める。消費者全体の2.5%に相当する。

◆オピニオンリーダー
→初期少数採用者。新しい製品に対して主観的評価を周りの者に伝えて新製品が社会に普及する重要な役目を担う消費者。消費者全体の13.5%を占める。

◆アーリーマジョリティ
→初期多数採用者。オピニオンリーダーの意見や評価を参考にして新製品の購入を決定する消費者。消費者全体の34%に達する。

◆レイトマジョリティ
→後期多数採用者。新製品の購入に慎重で、前の3タイプの消費者によっての新製品の評価が出揃ったところで購入に踏み切る消費者。アーリーマジョリティと同じく消費者全体の34%を占める。

◆ラガード
→伝統的なライフスタイルを守って、新製品には目もくれない消費者。消費者の16%がこのタイプ。

◆イノベーター理論とマーケティング
→企業は製品のライフサイクルと消費者のタイプを見極めて適切なマーケティング戦略を構築していくことにより最高の結果を出すことが可能になる。

投稿時間 : 16:17 個別ページ表示

2007年05月17日
 ■ インターネット全盛時代の新たな消費者心理プロセスAISASって何?

第134回:インターネット全盛時代の新たな消費者心理プロセスAISASって何?


レイナ:「タツヤ先輩、見て下さいよ。このバッグ。先日東京ミッドタウンのショップで買ったんですけど、インターネットで評判の商品だったから、手に入れるのも結構難しかったんですよね。」

タツヤ:「ほんとにお洒落なバッグだね。でもレイナちゃん、手に入れたと同時に自分のブログに写真付きでアップしたりしたんじゃない?」

レイナ:「え!?どうして私がこのバッグを買ったことを写真付きでブログにアップしたことを知ってるんですか?まさか、タツヤ先輩私のブログをチェックしてるんですか?」

タツヤ:「いやいや、レイナちゃんがどんなブログを開設しているかはわからないけど、レイナちゃんの行動は何となく想像できるよ。」

レイナ:「どうしてですか?」

タツヤ:「ああ、最近の消費者の行動は一定のパターンがあることが消費者行動分析から判明しているからなんだ。」

レイナ:「消費者行動のパターン?」

タツヤ:「そう。インターネットが発達するまでは消費者行動のパターンというのはAIDMAの法則というものに従っていたんだ。」

レイナ:「そういえば以前AIDMAの法則は学びましたね。確か消費者はAttention(注意)→Interest(興味)→Desire(欲望)→Memory(記憶)→Action(行動)というプロセスを経て購買活動を起こすということでしたよね。」

タツヤ:「そうだね。ところがWeb2.0といった消費者が自由に情報発信できる現代ではそのプロセスが変化して、AISAS、つまりAttention(注意)→Interest(興味)→Search(検索)→Action(行動)→Share(共有)というように変わってきたんだ。」

レイナ:「そうか。私の場合もインターネットで商品情報を発見して興味を持つと、次はその商品に関する情報を検索して評判を確認したわ。そして、商品が確かなものと分かった段階でお店に出掛けて商品を購入して、その感動を誰かに伝えたいからブログに写真付きでアップして体験を共有した。つまりこれがAISASの法則に則った行動になるってことなんですね。」

タツヤ:「そう。このAISASっていうのは電通が2004年に提唱した比較的新しいマーケティングの法則だけど、このAISASの変化形でAISCEASというのもあるんだ。」

レイナ:「AISCEAS?」

タツヤ:「うん。AISCEASは消費者はAttention(注意)→Interest(興味)→Search(検索)→Compare(比較)→Examination(検討)→Action(行動)→Share(共有)という行動プロセスを経るというものなんだよ。」

レイナ:「AISCEASはAISASよりも細かく消費者行動プロセスを表すものなんですね。どちらかというとAISCEASの方が現実の消費者行動にマッチしていそうですね。」

タツヤ:「このような消費者行動のパターンがわかれば、それをマーケティング戦略に活かすことができるんだ。」

レイナ:「たとえば?」

タツヤ:「ああ、たとえば最近テレビや電車の中刷りなどでも“続きはWebで”とか検索窓があってそこにキーワードを入れて検索して下さいというような広告があるだろう。」

レイナ:「そういえば最近特定のキーワードで検索してくれっていう広告がやたら増えてきましたね。」

タツヤ:「そのようにテレビや新聞、電車の中刷りなどで顧客の興味を引けば、顧客が検索して情報を入手するという行動パターンがわかっているので、Webサイトに顧客が求める情報を提供すればいいんだ。サイトに十分な情報があれば顧客は次の行動プロセスに移る可能性が高まるからね。このような手法はテレビや新聞などのマスメディアとインターネットを連動させるプロモーション手法としてクロスメディア戦略と呼ばれているんだよ。」

レイナ:「クロスメディア戦略ですか?」

タツヤ:「そう。加えて最後の部分のShareという行動に関して言えば、最近ではインターネット上の口コミで商品の購入を決定する人も増えてきているんだ。特にその分野のカリスマ的な人の発言は効果絶大で、企業はそのようなカリスマ的な人に商品を提供してブログを通じて商品の口コミを広げる活動も行っているんだよ。もちろんその商品の口コミはやらせだと逆効果だけどね。」

レイナ:「企業とするとAISASやAISCEASなど消費者の行動パターンを分析してその都度効果的なマーケティング戦略を実施していけば着実な成果があげられるってことですね。」


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【MBA講座:今回のTake Away】

◆AISASとは?
→インターネット時代における消費者の行動プロセス。以前はAIDMA理論に基づいてマーケティング戦略が立てられていたが現在ではAttention(注意)→Interest(興味)→Search(検索)→Action(行動)→Share(共有)というAISASに基づいてプロモーション戦略を構築する企業も多い。

◆AISCEASとは?
→AISASと同じように新たな消費者の行動プロセスを表したもの。AISASをより細かく分類して、Attention(注意)→Interest(興味)→Search(検索)→Compare(比較)→Examination(検討)→Action(行動)→Share(共有)という7段階の行動パターンに分けている。

◆AISASやAISCEASに基づいた最新のプロモーション戦略
→テレビや新聞などマスメディアとインターネットを活用したクロスメディア戦略を採用する企業が増加。また、インターネット上で口コミを利用してヒット商品を生み出すマーケティングも新しい消費者の行動プロセスに基づいてマーケティング戦略が組み立てられている。

<関連MBA講座>

『AIDMAとAMTULモデル』
http://mbasolution.com/onepointmba/lesson83.htm

『インターネット時代の最新マーケティングAIDEESとは?』
http://mbasolution.com/onepointmba/lesson94.htm

投稿時間 : 12:01 個別ページ表示

2007年04月19日
 ■ プロモーションを最大化させるメディアミックスとは?

レイナ:「タツヤ先輩、昨日5月1日から全世界でロードショウされるスパイダーマン3のプレミア試写会に行ってきたんですけど、芸能人も多く参加していてすごい豪華でしたよ。」

タツヤ:「そうだろうね。今回の主演俳優の来日プロモーションだけで3億円も予算をかけているっていう話だからね。」

レイナ:「3億円ですか?すごい力の入れようですね。」

タツヤ:「それだけじゃなく、スパイダーマン3は他にもいろいろな企業とタイアップしてプロモーションを行っているんだよ。」

レイナ:「タイアッププロモーションてどこと行っているんですか?」

タツヤ:「ああ、たとえばローソンのオリジナル商品である“からあげくんブラック”とテレビCMなど共同プロモーションを行ったり、ユニバーサルスタジオジャパンでスパイダーマン3フェスティバルを開催したり、実に12社と大型のタイアッププロモーションを展開しているんだ。」

レイナ:「そんなに多くの企業を巻き込んで莫大な予算を投入しているからには失敗するわけにはいかないわね。うちの会社もこれくらい大規模にプロモーションを展開すればバンバン商品が売れると思うんだけど・・・」

タツヤ:「ハハハ、そうだね。でもレイナちゃん、通常企業はプロモーション戦略を実行する際に、予算や時間の制約を受けるんだ。」

レイナ:「そうですね。特にうちの会社は広告予算がかなり絞られているから使える資金に限度があるっていうタツヤ先輩の言葉は真実味があるわ。」

タツヤ:「だからプロモーションに関して予算や時間に制限がある時、企業は最も効果的なプロモーションを実行するために各メディアを効率的に組み合わる必要があるんだ。これはマーケティングではメディア・ミックスと呼ばれているんだけどね。」

レイナ:「いろいろなメディアを効果的に組み合わせるからメディア・ミックスですか。」

タツヤ:「そう。そのメディアはマス向けかパーソナル向けかによってフロントエンドとバックエンドに大きく分類することができるんだよ。」

レイナ:「フロントエンドとバックエンド?」

タツヤ:「うん。フロントエンドっていうのはマス向けのメディアだからテレビやラジオ、新聞、雑誌、屋外広告、インターネットなどが含まれるんだ。企業はこれらのメディアの特性を踏まえてターゲット顧客にアプローチしていくことになるんだ。」

レイナ:「使用するメディアによってターゲットやコストが変わってくるから企業側とすると最も効果的なメディアを選ぶ必要があるってことですね。今回のスパイダーマン3のプロモーションは莫大な予算を投入できるから、このフロントエンドのメディアを大々的に使ってより多くの人にリーチするっていう戦略ですね。」

タツヤ:「そうだね。もう一方のバックエンドだけど、これはパーソナル向けのメディアだからダイレクトメールやコールセンターなどがこれに該当するんだ。」

レイナ:「バックエンドはフロントエンドほどの派手さはないけど1件1件個人に訴えかけるプロモーションが行えるわけですね。」

タツヤ:「企業はこれらのメディアをどのように組み合わせるか、またそのコンテンツをどのようにするかというメディア・プランニングを立てなければいけないんだけど、現状ではこの作業を広告代理店に任せることが多くなっているんだ。」

レイナ:「そうね。広告代理店ていうのはいわゆるプロモーションのプロフェッショナルだから専門性や経営資源の有効活用などの面からもそうするのが妥当だと思いますけど。」

タツヤ:「ただ、広告宣伝や販売促進費の費用対効果に対する疑問の声があるのも事実なんだ。だから広告代理店を利用するのはいいんだけど、大事なのは『誰に』、『どのようなポジションで』、『何を』伝えたいのか決定したプロダクト・コンセプトを代理店と共有することなんだ。」

レイナ:「広告代理店はプローモーションのプロフェッショナルだから一見プロっぽい宣伝はできるかもしれないけど、製品やサービスをよく知らないとうわべだけで、消費者の心を動かすようなプロモーションができないってことか。」

タツヤ:「そう。それから企業側とすると現状のプロダクトの消費者認知率やトライアル率などの定量情報を把握して、具体的な数値目標を設定することで代理店とプロモーション目標を共有することが可能になるんだよ。」

レイナ:「そうか。そうして企業がそれらの数値目標をモニタリングすることでメディア・プランニングがうまくいっているか、費用対効果を把握することができるってわけね。」


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【MBA講座:今回のTake Away】

◆プロモーションの問題点&解決方法
→予算や時間の制限を受ける。この問題点を解決するためにはメディアを効率的に組み合わせるメディアミックスを実行する必要がある。

◆メディアミックスとは?
→マス向けのフロントエンドメディアとパーソナル向けのバックエンドメディアを制約に応じて組み合わせること。

◆フロントエンドメディア
→テレビやラジオ、新聞、雑誌、屋外広告、インターネット

◆バックエンドメディア
→ダイレクトメールやコールセンター

◆プロモーションで広告代理店を利用する際の注意点
1.『誰に』、『どのようなポジションで』、『何を』伝えたいのか決定したプロダクト・コンセプトを代理店と共有する。
2.現状のプロダクトの消費者認知率やトライアル率などの定量情報を把握して、具体的な数値目標を設定することで代理店とプロモーション目標を共有する。
3.数値目標をモニタリングし、費用対効果を把握する。

投稿時間 : 08:42 個別ページ表示

2007年03月22日
 ■ ブランドが与える企業へのメリット、消費者へのメリット

レイナ:「タツヤ先輩、去年立ち上げた女性用衣料を取り扱う事業部なんですけど当初の計画から大幅に乖離して不振らしいですね。特にブランディングがうまくいってないみたいなんですけど・・・」

タツヤ:「製品のブランディングは企業にとってもちろんメリットのあることだけど、同時に消費者にとってもメリットのあることだからなあ。だから、ブランドが確立できるかどうかで業績に大きな違いができることになるんだけどね。」

レイナ:「えっ、ブランドっていうのは企業にとってメリットのあることだと思ってましたけど、消費者にとってもメリットのあることなんですか?」

タツヤ:「ああ、一般的にブランドっていうのは企業が消費者に製品やサービスを売る場合に役に立つだけだと思われているみたいだけど、実はそれだけじゃないんだ。確かに情報の送り手である企業にとってブランドというのは大きなメリットがあるんだけど、同時に情報の受け手である消費者にとってもメリットがある話なんだ。」

レイナ:「そうなんですか?一体、消費者がブランドによってどのようなメリットを享受できるか興味深いですね。」

タツヤ:「そうだな、それじゃあ今日はそのブランドが与えるメリットについて整理してみようか。まずはレイナちゃんに聞きたいんだけど、企業にとってブランドのメリットはどんなものがあると思う?」

レイナ:「そうですね。簡単なところで言えば他社の製品と差別化することができるということかしら。」

タツヤ:「それは特に重要なポイントだね。他にもブランドネームなどを通して製品への意味づけが行えたり、顧客のロイヤリティを確保できたりというメリットもあるんだ。」

レイナ:「やっぱりあるブランドのファンになると、そのブランドばかりを購入する顧客っていうのは必ずいますからね。私なんかもルイヴィトンの熱狂的なファンで、その名前を聞いただけでなんだか欲しくなっちゃって、それ以外のブランドには目もくれないほどのロイヤリティだものね。」

タツヤ:「そうだろう。それに加えてブランドっていうのは競争優位や財務的成果の源泉にもなるんだよ。」

レイナ:「ライバルよりも多く売れて、しかも利益率が高くなるから、企業の収益にも貢献するってことね。」

タツヤ:「そう。このような観点に立てば、ブランドっていうのは企業にとって“モノを言わない優秀な営業マン”って言うこともできるよね。それから、このブランディングによって競合他社に対して競争優位を確立することもできるし、もし強いブランドを育成することができれば企業の売上向上に多大な影響を与えることにもなるしね。」

レイナ:「企業のブランドから受けるメリットはわかりましたけど、今度は逆に消費者が受けるブランドのメリットにはどんなものがあるんですか?」

タツヤ:「ああ、消費者にとってブランドっていうのは製品の製造元を識別する効果あるんだ。」

レイナ:「それってどんなメリットになるんですか?」

タツヤ:「つまり、ブランドによって責任の所在がはっきりするし、製品の購入を決定する時に品質の低いものを購入するというリスクを軽減することができるんだよ。」

レイナ:「そうか。やっぱり有名なブランドであれば初めてでも安心して購入できるし、もし以前に購入して満足していなければ二度とそのブランドは購入しないってことになるものね。」

タツヤ:「また、ブランドによって消費者は製品を探す手間やコストを省くことができるってことも言えるよね。たとえば、消費者はブランドを通して自分がなりたいイメージを投影させることによって目的の製品を探す手間が省けるからね。」

レイナ:「そういえば、私もファッション雑誌なんかでモデルが着ている服なんか見ると『こんな風になりたい』って思ってお店に買いに行くことがよくあるわ。」

タツヤ:「そうだろう。このようにブランドと消費者の関係っていうのはある種の『約束』とみることができるんだ。消費者はそのブランドの製品やサービスであれば、一貫して安定した品質、適切な価格、適切なプロモーション、適切な流通によって提供されると認識しているから、ロイヤリティを高めてそのブランドを購買し続けることになるのさ。」

レイナ:「そして企業側とするとその消費者との約束を守るために信用や保証を提供し続けることがブランド戦略っていうことになるんですね。」


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【MBA講座:今回のTake Away】


◆ブランドがビジネスに与える影響とは?
<企業に与えるメリット>
1.他社製品との差別化
2.製品への意味づけ
3.顧客ロイヤリティの確保
4.競争優位性の確保
5.高い収益性の確保

<消費者に与えるメリット>
1.責任の所在の明確化
2.品質リスクの軽減
3.探索する手間やコストの軽減

◆ブランドとは?
→ブランドとは企業と消費者との『約束』であり、企業はこの『約束』を守るために信用や保証を提供し続ける必要がある。

投稿時間 : 08:35 個別ページ表示

 ■ ブランドが与える企業へのメリット、消費者へのメリット

レイナ:「タツヤ先輩、去年立ち上げた女性用衣料を取り扱う事業部なんですけど当初の計画から大幅に乖離して不振らしいですね。特にブランディングがうまくいってないみたいなんですけど・・・」

タツヤ:「製品のブランディングは企業にとってもちろんメリットのあることだけど、同時に消費者にとってもメリットのあることだからなあ。だから、ブランドが確立できるかどうかで業績に大きな違いができることになるんだけどね。」

レイナ:「えっ、ブランドっていうのは企業にとってメリットのあることだと思ってましたけど、消費者にとってもメリットのあることなんですか?」

タツヤ:「ああ、一般的にブランドっていうのは企業が消費者に製品やサービスを売る場合に役に立つだけだと思われているみたいだけど、実はそれだけじゃないんだ。確かに情報の送り手である企業にとってブランドというのは大きなメリットがあるんだけど、同時に情報の受け手である消費者にとってもメリットがある話なんだ。」

レイナ:「そうなんですか?一体、消費者がブランドによってどのようなメリットを享受できるか興味深いですね。」

タツヤ:「そうだな、それじゃあ今日はそのブランドが与えるメリットについて整理してみようか。まずはレイナちゃんに聞きたいんだけど、企業にとってブランドのメリットはどんなものがあると思う?」

レイナ:「そうですね。簡単なところで言えば他社の製品と差別化することができるということかしら。」

タツヤ:「それは特に重要なポイントだね。他にもブランドネームなどを通して製品への意味づけが行えたり、顧客のロイヤリティを確保できたりというメリットもあるんだ。」

レイナ:「やっぱりあるブランドのファンになると、そのブランドばかりを購入する顧客っていうのは必ずいますからね。私なんかもルイヴィトンの熱狂的なファンで、その名前を聞いただけでなんだか欲しくなっちゃって、それ以外のブランドには目もくれないほどのロイヤリティだものね。」

タツヤ:「そうだろう。それに加えてブランドっていうのは競争優位や財務的成果の源泉にもなるんだよ。」

レイナ:「ライバルよりも多く売れて、しかも利益率が高くなるから、企業の収益にも貢献するってことね。」

タツヤ:「そう。このような観点に立てば、ブランドっていうのは企業にとって“モノを言わない優秀な営業マン”って言うこともできるよね。それから、このブランディングによって競合他社に対して競争優位を確立することもできるし、もし強いブランドを育成することができれば企業の売上向上に多大な影響を与えることにもなるしね。」

レイナ:「企業のブランドから受けるメリットはわかりましたけど、今度は逆に消費者が受けるブランドのメリットにはどんなものがあるんですか?」

タツヤ:「ああ、消費者にとってブランドっていうのは製品の製造元を識別する効果あるんだ。」

レイナ:「それってどんなメリットになるんですか?」

タツヤ:「つまり、ブランドによって責任の所在がはっきりするし、製品の購入を決定する時に品質の低いものを購入するというリスクを軽減することができるんだよ。」

レイナ:「そうか。やっぱり有名なブランドであれば初めてでも安心して購入できるし、もし以前に購入して満足していなければ二度とそのブランドは購入しないってことになるものね。」

タツヤ:「また、ブランドによって消費者は製品を探す手間やコストを省くことができるってことも言えるよね。たとえば、消費者はブランドを通して自分がなりたいイメージを投影させることによって目的の製品を探す手間が省けるからね。」

レイナ:「そういえば、私もファッション雑誌なんかでモデルが着ている服なんか見ると『こんな風になりたい』って思ってお店に買いに行くことがよくあるわ。」

タツヤ:「そうだろう。このようにブランドと消費者の関係っていうのはある種の『約束』とみることができるんだ。消費者はそのブランドの製品やサービスであれば、一貫して安定した品質、適切な価格、適切なプロモーション、適切な流通によって提供されると認識しているから、ロイヤリティを高めてそのブランドを購買し続けることになるのさ。」

レイナ:「そして企業側とするとその消費者との約束を守るために信用や保証を提供し続けることがブランド戦略っていうことになるんですね。」


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【MBA講座:今回のTake Away】


◆ブランドがビジネスに与える影響とは?
<企業に与えるメリット>
1.他社製品との差別化
2.製品への意味づけ
3.顧客ロイヤリティの確保
4.競争優位性の確保
5.高い収益性の確保

<消費者に与えるメリット>
1.責任の所在の明確化
2.品質リスクの軽減
3.探索する手間やコストの軽減

◆ブランドとは?
→ブランドとは企業と消費者との『約束』であり、企業はこの『約束』を守るために信用や保証を提供し続ける必要がある。

投稿時間 : 08:35 個別ページ表示

2007年02月15日
 ■ 価格ギャップを演出したパブリシティ戦略とは?

レイナ:「タツヤ先輩、昨日朝のテレビで2箱3000円の高級ティッシュが販売されるって情報が流れていたんですけど、私も気になってサイトにアクセスしたら既に完売御礼ですって。ドラッグストアのセールだったら5箱で200円前後で買えるのにどんな人がそんな高級ティッシュを買うんですかね。」


タツヤ:「2箱で3000円とは高い価格設定だね。でも企業側とするとパブリシティ戦略の一環としてそのような高い価格設定をしたんだと思うよ。」


レイナ:「パブリシティ戦略?それって一体どんな戦略なんですか?」


タツヤ:「ああ。パブリシティ戦略っていうのは企業がテレビや新聞などのニュースとして商品やサービスを取り上げてもらえるように戦略を練っていくことなんだ。」


レイナ:「ということは今回の高級ティッシュはテレビや新聞などに取り上げてもらうために意図的に高い価格設定をしたということなんでしょうか?」


タツヤ:「そうだね。きっぱりとは言えないけどその可能性は十分にあると思うよ。」


レイナ:「でも、なぜ高い価格とパブリティ戦略が繋がるんですか?」


タツヤ:「たとえば、今回の高級ティッシュが500円程度の価格設定だったとしたら、マスコミは果たしてこの商品を取り上げたと思う?」


レイナ:「そうですね。500円程度のボックスティッシュだったら、どちらかというとありふれた価格設定だからマスコミの話題にもならなかったと思いますけど・・・」


タツヤ:「そうだろう。だから、通常価格が安い商品には非常識に高い価格を設定したり、逆に通常価格が高い商品には非常識に安い価格設定をすることによって話題性が増すんだ。」


レイナ:「企業側とするとこれまでに無かったことを行なって話題を提供し、マスコミに取り上げてもらうという戦略ですね。そういえば、毎年百貨店が1億円の福袋とか企画しますけど、これなんかも実際に売ると言うよりはマスコミに話題を提供して取り上げてもらうパブリシティ戦略なのかしら。」


タツヤ:「そうだね。ニュースというのは普段と違った話題性のある出来事を取り上げる傾向があるから、少しでもパブリシティとしてマスコミに取り上げてもらいたい時は、そのような通常では考えられないことを行えば確率が高まるって訳さ。」


レイナ:「そうしてニュースとしてマスコミに取り上げられれば、いかに高額な商品でも多くの人の目に留まって、売れる確率がそれだけ高まるってことですね。」


タツヤ:「ただ、パブリシティのメリットはそれだけじゃないんだ。」


レイナ:「他にどんなメリットがあるんですか?」


タツヤ:「ああ。たとえば、企業はテレビや新聞に広告を出す場合、数百万円から数億円の広告費を支払わなければいけないんだ。ところが記事として自社の商品やサービスが取り上げられれば、無料で宣伝できるのと同じことなんだ。つまり、数百万円から数億円の広告費を節約できるって訳さ。」


レイナ:「ニュースとして取り上げる場合は、広告としてではなく話題として取り上げられるから、企業側としてはお金を払う必要がないんですね。今回の高級ティッシュもそうですけど、特にテレビで取り上げられればその効果は計り知れないものになりますね。そういえば、捏造で大変なことになりましたけど、『あるある大事典』で取り上げられた納豆なんかも放送終了後は飛ぶように売れて手に入れることさえ難しい状況が続いていましたよね。あれなんかもパブリシティ効果と言えそうですね。」


タツヤ:「そうだね。他にもパブリティは消費者の信頼を得やすいというメリットもあるんだよ。」


レイナ:「それはどういった理由で?」


タツヤ:「たとえば、広告は企業側の言い分ばかりで消費者としてはどこかしら疑問を抱きながらその商品やサービスの情報を受け止めているんだ。ところが、パブリシティの場合、テレビ局や新聞社など第三者がその商品やサービスを評価して情報を提供するから、情報を受け取る側としては信頼しやすいんだ。」


レイナ:「本人が『この商品はいい』って言うより、第三者が『この商品はいい』って言う方が信頼性が増すっていう原理ですね。」


タツヤ:「そういうこと。だから企業とするともちろん広告などのプロモーションにも力を入れるけど、常に話題性のある商品やサービスの提供に心掛けて、マスコミに情報を提供するプレスリリースなどを通してパブリシティを成功させるための努力を行なっていく必要があるんだよ。」


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【MBA講座:今回のTake Away】


◆パブリシティ戦略とは?
→パブリシティとは、企業がテレビや新聞などのマスメディアに対して費用を負担することなく自社の商品やサービスを紹介してもらうよう働きかける活動のこと。

◆パブリシティ戦略のメリット
1.通常数百万円から数億円する広告費用を負担することなく、商品やサービスのプロモーションが行なえる。
2.一旦ニュースとしてマスメディアに取り上げられれば、多くの人の目に触れ商品やサービスが売れる確率が高まる。
3.マスメディアという第三者の立場から商品やサービスが紹介されるので、消費者の信頼度がアップする。

◆パブリシティを成功させるポイント
→価格ギャップの演出、これまでになかった商品やサービスの開発、社会的貢献活動などニュースとして話題に取り上げられそうな活動をプレスリリースを通して随時マスメディア側に伝えていくパブリシティを行っていく。

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超高級ティッシュの事例につきましてはオールアバウトで更に詳しく記事にしています。よろしかったらご訪問下さい!

『3千円の超高級ティッシュ!あなたは買う?』
http://allabout.co.jp/career/marketing/closeup/CU20070212A/

投稿時間 : 08:27 個別ページ表示

 ■ 価格ギャップを演出したパブリシティ戦略とは?

レイナ:「タツヤ先輩、昨日朝のテレビで2箱3000円の高級ティッシュが販売されるって情報が流れていたんですけど、私も気になってサイトにアクセスしたら既に完売御礼ですって。ドラッグストアのセールだったら5箱で200円前後で買えるのにどんな人がそんな高級ティッシュを買うんですかね。」


タツヤ:「2箱で3000円とは高い価格設定だね。でも企業側とするとパブリシティ戦略の一環としてそのような高い価格設定をしたんだと思うよ。」


レイナ:「パブリシティ戦略?それって一体どんな戦略なんですか?」


タツヤ:「ああ。パブリシティ戦略っていうのは企業がテレビや新聞などのニュースとして商品やサービスを取り上げてもらえるように戦略を練っていくことなんだ。」


レイナ:「ということは今回の高級ティッシュはテレビや新聞などに取り上げてもらうために意図的に高い価格設定をしたということなんでしょうか?」


タツヤ:「そうだね。きっぱりとは言えないけどその可能性は十分にあると思うよ。」


レイナ:「でも、なぜ高い価格とパブリティ戦略が繋がるんですか?」


タツヤ:「たとえば、今回の高級ティッシュが500円程度の価格設定だったとしたら、マスコミは果たしてこの商品を取り上げたと思う?」


レイナ:「そうですね。500円程度のボックスティッシュだったら、どちらかというとありふれた価格設定だからマスコミの話題にもならなかったと思いますけど・・・」


タツヤ:「そうだろう。だから、通常価格が安い商品には非常識に高い価格を設定したり、逆に通常価格が高い商品には非常識に安い価格設定をすることによって話題性が増すんだ。」


レイナ:「企業側とするとこれまでに無かったことを行なって話題を提供し、マスコミに取り上げてもらうという戦略ですね。そういえば、毎年百貨店が1億円の福袋とか企画しますけど、これなんかも実際に売ると言うよりはマスコミに話題を提供して取り上げてもらうパブリシティ戦略なのかしら。」


タツヤ:「そうだね。ニュースというのは普段と違った話題性のある出来事を取り上げる傾向があるから、少しでもパブリシティとしてマスコミに取り上げてもらいたい時は、そのような通常では考えられないことを行えば確率が高まるって訳さ。」


レイナ:「そうしてニュースとしてマスコミに取り上げられれば、いかに高額な商品でも多くの人の目に留まって、売れる確率がそれだけ高まるってことですね。」


タツヤ:「ただ、パブリシティのメリットはそれだけじゃないんだ。」


レイナ:「他にどんなメリットがあるんですか?」


タツヤ:「ああ。たとえば、企業はテレビや新聞に広告を出す場合、数百万円から数億円の広告費を支払わなければいけないんだ。ところが記事として自社の商品やサービスが取り上げられれば、無料で宣伝できるのと同じことなんだ。つまり、数百万円から数億円の広告費を節約できるって訳さ。」


レイナ:「ニュースとして取り上げる場合は、広告としてではなく話題として取り上げられるから、企業側としてはお金を払う必要がないんですね。今回の高級ティッシュもそうですけど、特にテレビで取り上げられればその効果は計り知れないものになりますね。そういえば、捏造で大変なことになりましたけど、『あるある大事典』で取り上げられた納豆なんかも放送終了後は飛ぶように売れて手に入れることさえ難しい状況が続いていましたよね。あれなんかもパブリシティ効果と言えそうですね。」


タツヤ:「そうだね。他にもパブリティは消費者の信頼を得やすいというメリットもあるんだよ。」


レイナ:「それはどういった理由で?」


タツヤ:「たとえば、広告は企業側の言い分ばかりで消費者としてはどこかしら疑問を抱きながらその商品やサービスの情報を受け止めているんだ。ところが、パブリシティの場合、テレビ局や新聞社など第三者がその商品やサービスを評価して情報を提供するから、情報を受け取る側としては信頼しやすいんだ。」


レイナ:「本人が『この商品はいい』って言うより、第三者が『この商品はいい』って言う方が信頼性が増すっていう原理ですね。」


タツヤ:「そういうこと。だから企業とするともちろん広告などのプロモーションにも力を入れるけど、常に話題性のある商品やサービスの提供に心掛けて、マスコミに情報を提供するプレスリリースなどを通してパブリシティを成功させるための努力を行なっていく必要があるんだよ。」


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【MBA講座:今回のTake Away】


◆パブリシティ戦略とは?
→パブリシティとは、企業がテレビや新聞などのマスメディアに対して費用を負担することなく自社の商品やサービスを紹介してもらうよう働きかける活動のこと。

◆パブリシティ戦略のメリット
1.通常数百万円から数億円する広告費用を負担することなく、商品やサービスのプロモーションが行なえる。
2.一旦ニュースとしてマスメディアに取り上げられれば、多くの人の目に触れ商品やサービスが売れる確率が高まる。
3.マスメディアという第三者の立場から商品やサービスが紹介されるので、消費者の信頼度がアップする。

◆パブリシティを成功させるポイント
→価格ギャップの演出、これまでになかった商品やサービスの開発、社会的貢献活動などニュースとして話題に取り上げられそうな活動をプレスリリースを通して随時マスメディア側に伝えていくパブリシティを行っていく。

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超高級ティッシュの事例につきましてはオールアバウトで更に詳しく記事にしています。よろしかったらご訪問下さい!

『3千円の超高級ティッシュ!あなたは買う?』
http://allabout.co.jp/career/marketing/closeup/CU20070212A/

投稿時間 : 08:27 個別ページ表示

2007年02月01日
 ■ 高すぎるWindows Vistaその訳は?PSM分析

レイナ:「タツヤ先輩、遂にWindows Vistaが発売されましたね。ニュースによれば、1月にして今年最大の大型商品という触れ込みもありますけど。」


タツヤ:「そうだね。Microsoft officeも同時にバージョンアップしたからMicrosoftとすると今年は書き入れ時だね。ところでレイナちゃんはもうバージョンアップはしたの?」


レイナ:「もちろんしてないですよ。だって、最新の機能がそこそこ使えるホームプレミアムにしたってアップグレードで2万円近くもかかるんですよ。そんなお金あったら、おいしい食事とか、ちょっとしたアクセサリーを買ったほうが賢いお金の使い方じゃないですか。」


タツヤ:「確かにMicrosoftは独占企業のようなものだから強気の価格設定ができて、アップグレードといえども世の中の常識以上の価格になっているよね。まあ、Microsoftにとっては買い替えの時にVista搭載のパソコンが売れて徐々にシェアを上げていけばいいのかもしれないけど・・・」


レイナ:「そうよ。私なんてXPで全然不便は感じないもの。高いお金を払ってまでVistaにする理由がないわ。」


タツヤ:「ただ、企業とすると今回レイナちゃんがVistaに対して思っているような『顧客がその価格に対してどのように感じるか』を知ることも重要なポイントだよね。」


レイナ:「顧客の価格に対する感受性を知るってことですか?」


タツヤ:「そう。たとえば、多くの顧客が自社製品を高いと感じれば購入する顧客が少なくなるし、逆に安いと感じれば多くなるだろう。また高いと感じてても売上が維持されていればそれは競合他社の製品とうまく差別化できている証拠にもなるんだ。」


レイナ:「確かに言われてみればそうですね。」


タツヤ:「このような顧客の価格に対する反応のことをマーケティングではプライス・センシティビティと言うんだよ。」


レイナ:「プライス・センシティビティ?」


タツヤ:「ああ。プライス・センシティビティでは顧客が価格に対して注目する程度や価格の動きに反応する程度が表わされるんだよ。」


レイナ:「でもどうやってそのプライス・センシティビティを把握することができるんですか?」


タツヤ:「うん。それはPSM分析で把握するんだ。」


レイナ:「PSM分析?」


タツヤ:「そう。PSM分析っていうのはPrice Sensitivity Measurement分析の略で、顧客がある製品の価格に対してどのような認識を持っているかを明らかにする手法なんだ。」


レイナ:「PSM分析ってなんだか難しそうですけど、具体的にはどのような方法なんでしょうか?」


タツヤ:「内容は至って簡単だよ。この分析ではまず消費者に製品の価格に対して次の4つの質問をするんだ。『いくらから高いと感じ始めるか?』、『いくらから安いと感じ始めるか?』、『いくらから高すぎて買えないと感じ始めるか?』、『いくらから安すぎて品質に問題があるのではないかと感じ始めるか?』ってね。次に消費者から得た回答をグラフに埋め込んで製品に対する消費者の認識や受容性を明らかにするってわけさ。」


レイナ:「そうなんですか?PSM分析は結構単純なものなんですね。」


タツヤ:「そう。この質問をグラフにすると4つの曲線が描かれるんだけど、この曲線が交わったポイントにいろいろ意味が込められているんだ。」


レイナ:「たとえば?」


タツヤ:「たとえば、『高すぎる』と『安い』が交わるポイントは企業にとって最も利益が高くなるんだけどこれ以上価格を高くすると誰も製品を買ってくれないという最高価格になるし、『高い』と『安い』が交わるポイントは消費者にとってこの製品ならこの価格は仕方がないと思う妥協価格になるんだ。また『安すぎる』と『高い』が交わる価格はこれ以上安くすると消費者が『品質に問題があるんじゃないか』って疑い始める製品品質保証価格ってことだし、最後の『高すぎる』と『安すぎる』が交わるポイントは消費者にとって高すぎず安すぎず、丁度いい価格ということで理想価格になるっていうわけさ。」


レイナ:「へぇー、面白いですね。Microsoftは独占企業のようなものだから、きっとVistaに最高価格を設定しているんですね。製品品質保証価格と言わないまでも、妥協価格や理想価格だったら私でもアップグレードしたかもしれないのに。」


タツヤ:「はははっ、そうだね。やはり、企業とすると自社の都合による価格設定だけでなくこのようなPSM分析を通した顧客の観点からの価格設定も重要になってくるんだけどね。」


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【MBA講座:今回のTake Away】


◆プライス・センシティビティとは?
→顧客の価格に対する受容性のこと。

◆PSM分析とは?
→『いくらから高いと感じ始めるか?』、『いくらから安いと感じ始めるか?』、『いくらから高すぎて買えないと感じ始めるか?』、『いくらから安すぎて品質に問題があるのではないかと感じ始めるか?』という4つの質問を通して『最高価格』、『妥協価格』、『理想価格』、『製品品質保証価格』を探っていく分析手法。

◆PSM分析における『最高価格』
→企業にとって最も利益が高くなるが、これ以上価格を高くすると誰も製品を買ってくれないという価格。『高すぎる』と『安い』が交わるポイント。

◆PSM分析における『妥協価格』
→消費者にとってこの製品ならこの価格は仕方がないと思う価格。『高い』と『安い』が交わるポイント。

◆PSM分析における『理想価格』
→消費者にとって高すぎず、安すぎず丁度いい価格。『高すぎる』と『安すぎる』が交わるポイント。

◆PSM分析における『製品品質保証価格』
→消費者が『品質に問題があるのでは?』と疑い始める価格。『安すぎる』と『高い』が交わるポイント。

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グラフ付きの解説は下記リンクからご利用いただけます。

http://www.mbasolution.com/onepointmba/lesson128.htm

投稿時間 : 08:24 個別ページ表示

2006年12月14日
 ■ マッシュアップによる市場の活性化

レイナ:「タツヤ先輩。うちの会社が展開しているインターネットカフェ、最近では競合に押されてあまりぱっとしないみたいね。」


タツヤ:「そうだね。インターネットカフェは今では成長期を過ぎて成熟期に入ってきているから、競争が激化して採算の取りにくい業界になっているんだ。」


レイナ:「そのような成熟期に入った業界でも何か業績を立て直す方法ってないんですかね?」


タツヤ:「それはいろんな方法があるよ。」


レイナ:「たとえば?」


タツヤ:「たとえば、最近流行の言葉で言えば“マッシュアップ”という方法があるんだ。」


レイナ:「マッシュアップ?それって一体どんな方法なんですか?」


タツヤ:「うん。マッシュアップっていうのはもともと音楽の世界で使われていた用語なんだけど、いくつもの曲を組み合わせて新しい曲を作っていく方法なんだ。」


レイナ:「そのいくつもの曲を組み合わせて新しい曲を作るマッシュアップがなぜビジネスと関係があるんですか?」


タツヤ:「ああ。今ビジネスの世界でも既存の商品やサービスをいくつか組み合わせて新たな需要を開拓する成功事例が続出しているんだ。現在提供している商品やサービスに他のものを加えることによって成熟期でも更に成長軌道に乗ることができるってわけさ。」


レイナ:「たとえば、どんな事例があるんですか?」


タツヤ:「たとえば、インターネットカフェの事例で言えば、コインランドリーとキッズルームを組み合わせて、総合的なレジャーランドのようなサービスを提供することによって、売上を急激に伸ばした企業も存在するんだ。」


レイナ:「コインランドリーって結構待ってる時間が手持ち無沙汰ですものね。そこにキッズルームがあれば、週末にまとめて洗濯する際に親はネットカフェ、子供はキッズルームと何かと便利ですよね。」


タツヤ:「そう。他にもメガネストアとメード喫茶を組み合わせて売上を伸ばした企業もあるんだよ。」


レイナ:「メード喫茶について言えば、この前テレビでも取り上げられていましたけど、美容室との組み合わせなんかもヒットしてて、応用範囲が広そうですね。」


タツヤ:「まあ、いわゆるオタクと呼ばれる顧客層対象のビジネスだけど、オタク市場っていうのは2005年10月の野村総研の発表によれば4110億円と非常に大きなマーケットになっているからね。」


レイナ:「新商品やサービスを開発する企業側にとっても、このマッシュアップという方法であれば新しいものを考えることなく、既存の商品やサービスを組み合わせるだけで新たなものがが生み出せるから開発コストや新商品投入リスクなどを考えた時に比較的リスクを軽減できるメリットがありそうですね。」


タツヤ:「そうだね。だから成熟期で売上が鈍化してきたら、顧客のニーズを汲み取って、どの商品やサービスと組み合わせればより高い価値を顧客に提供できるかを考えるマッシュアップを行うことによって、再び事業を成長軌道に乗せることが可能になるんだよ。」



【MBA講座:今回のTake Away】


◆マッシュアップとは?
→もともとは音楽関連の用語で複数の曲を組み合わせて新たな曲を生み出すこと。この用語がビジネスに転じて、複数の商品やサービスを組み合わせて、新たな商品やサービスを開発することを意味するようになった。


◆マッシュアップのメリット
1.ビジネスが成熟期を迎えると競争が激しくなり、売上が停滞してくるが、マッシュアップにより、これまでと違った顧客層を取り込む商品やサービスの提供が可能になる。
2.商品やサービスをゼロから開発するわけでなく、既存の商品やサービスとの組み合わせなので、比較的短期間で新商品を開発でき、リスクも軽減できる。


◆マッシュアップの事例
1.文房具販売+通信販売(アスクル)
2.生命保険+通信販売(外資系生命保険)
3.ネットカフェ+ランドリー+キッズルーム
4.メガネストア+メード喫茶

投稿時間 : 09:37 個別ページ表示

2006年12月07日
 ■ 爆発的な需要を創出する2段階マーケティングとは?(後編)

タツヤ:「レイナちゃん。前回は2段構えのマーケティングについて話をしたよね。」


レイナ:「そうね。ソニーのPS3は現状は売れば売るだけ赤字の商品だから、大量生産によるコスト削減か、ソフトウェアの利益でその赤字を埋め合わせる2段階のマーケティング戦略をとっているということでしたね。」


タツヤ:「他にも同じようなマーケティング戦略を採用している商品やサービスがあるんだけど、何か思い浮かばない?」


レイナ:「他にも最初赤字で後から利益を取り戻すマーケティングを行っている商品があるんですか?あまり思い浮かばないんですけど・・・」


タツヤ:「探してみると結構あるんだよ。たとえば、プリンターなんかはどうだろう?」


レイナ:「プリンターですか?そういえばここ数年でプリンターの価格って大幅に下がりましたね。10年ほど前は5万円近くしたものが今では1万円以下でも買えるようになりましたからね。」


タツヤ:「実は僕がアメリカにいた10年前でも一流メーカーのプリンターが20ドル、つまり2500円で売られていたんだ。」


レイナ:「2500円?そんな価格で儲けが出るんですか?」


タツヤ:「多分赤字だと思うよ。だから2段構えのマーケティングを採用するのさ。」


レイナ:「プリンターを買った人はランニングコストとしてインクを買わなきゃいけないからインクでハードの赤字を埋めるって事ですね。」


タツヤ:「そう。ただ、プリンターの場合はメーカーの誤算があって、他社からリサイクルのインクやインク補充液などが発売されて、当初の目論見どおりに行かなくなってきているんだ。」


レイナ:「そういえば、大手プリンターメーカーがリサイクルインクメーカーを相手取って裁判を起こしたりしているのを新聞で読んだことがあるわ。」


タツヤ:「プリンターの他にも携帯電話なんかも2段構えのマーケティング戦略の典型だね。」


レイナ:「携帯電話の本体なんてただで配っているものね。私なんてこの前テレビ付きの携帯をただでゲットしちゃいましたよ。」


タツヤ:「通常ウン万円の携帯端末をただであげるんだから、携帯キャリアは大赤字だろう。この赤字を通信料で埋め合わせることになるのさ。」


レイナ:「携帯各社にとっては端末を売って儲けるよりは、利用者を増やして通信料で儲けた方が割がいいってことなのね。」


タツヤ:「そう。同じようにインターネットプロバイダなんかも契約時に数万円のキャッシュをプレゼントしてまで契約を取りに行っているだろう。これなんかもそれ以降の契約料を見込んで最初は赤字でもいずれは利益に変わるという2段構えのマーケティングを見越してのことなんだ。」


レイナ:「こうしてみるといろんな会社がいろんな商品やサービスで2段構えのマーケティング戦略を実施しているのね。」


タツヤ:「そういうことになるね。ただ、このマーケティング戦略で気をつけなきゃいけないのはいつにも増して入念な調査と慎重な戦略の立案が必要になるってことなんだ。」


レイナ:「最初が大幅な赤字からスタートするだけに、次の段階の収穫期に思い通りの収益があげられなければ、企業として大きな痛手を負うことになりますからね。」


タツヤ:「そう。さっきも言ったようにプリンタメーカーなどは最初の計画から大幅な狂いが生じている例を見ても、現実に想定外のことが起こる可能性は非常に高いと言わざるを得ないんだ。」


レイナ:「2段構えのマーケティングっていうのは消費者の需要を喚起して一気に市場地図を塗り替えることも可能だけど、逆に事業にダメージを与える可能性も高いっていうことか。そういった意味ではまさに両刃の剣ってとこですね。」


【MBA講座:今回のTake Away】

◆2段構えのマーケティング戦略とは?
→イニシャルコストとランニングコストの発生する商品やサービスでイニシャルコストの部分を赤字で提供し需要を喚起した上で、ランニングコストの部分で収益を確保するマーケティング戦略。

◆2段構えのマーケティング戦略の事例
1. ゲーム機
2. プリンター
3. 携帯電話
4. インターネットプロバイダー など

◆2段構えのマーケティング戦略実行時の注意点
→市場価格よりも極端に安い商品やサービスを提供するので当初は大幅な赤字に陥りやすい。初期段階では経営体力が必要となる。
→イニシャルコストの部分は独占する必要がある。そういった意味で他社の参入を妨げる仕組みが必要。
→当初は赤字でスタートするため、いつも以上の入念な調査と慎重な戦略の構築が不可欠になる。

投稿時間 : 10:19 個別ページ表示

2006年11月30日
 ■ 爆発的な需要を創出する2段階マーケティングとは?(前編)

レイナ:「タツヤ先輩、ソニーのPS3が遂に発売されましたね。私はゲームファンって訳じゃないんだけど、最新のブルーレイディスクを搭載して6万円程度だからなんだか欲しくなってきちゃったわ。」


タツヤ:「そうだね。ある調査機関によれば、実際のコストは10万円程度かかっているそうだから、非常にお得感はあるよね。」


レイナ:「コストが10万円で価格が6万円?そんなビジネスってありえるんですか?」


タツヤ:「場合によってはPS3に限らず、当初のコストが販売価格を上回るってビジネスはありえる話なんだよ。たとえば、今回のPS3の場合は当初赤字でも低価格で需要を喚起すれば大量生産が可能になってその分コストが引き下げられるだろう。そうすると徐々に本体でも利益を上げることができるようになるんだよ。」


レイナ:「そうか。今はまだ新しい技術開発でコスト高になってるけど、これがこなれてくれば原価は安くできるっていうソニーの読みがあるのね。」


タツヤ:「そう。たとえばソニーのPS2は全世界で1億台以上売れているし、同じようにPS3が売れると予測するといずれは原価が大幅に下がることが予測できるからね。まあ、ゲームの場合は他の要因もあるんだけどね・・・」


レイナ:「他の要因って?」


タツヤ:「ああ、たとえばゲーム機本体だけを好き好んで買う人っていうのはまずい無いだろう。」


レイナ:「そりゃそうよ。いくら最新のブルーレイディスクが使えると言ってもあくまでもPS3を購入する人の目的はゲームでしょう。」


タツヤ:「ということは購入者にとってはゲーム機本体はイニシャルコストであって、他にソフトウェアというランニングコストが必要になってくるだろう。」


レイナ:「PS3を購入したら、PS3専用のソフトウェアを買い足していくっていうことですね。」


タツヤ:「そう。だからソニーとするとハードウェアを多くの人にまず購入してもらうのはその後のソフトウェアを売るために必須のことなんだ。特にソフトウェアっていうのは自社が開発してヒットすれば利益率は高いし、他社の開発したゲームではロイヤリティが入ってくるしね。」


レイナ:「だから、まずは赤字でもPS3というハードを売って次のソフトで儲ければいいって戦略なのね。」


タツヤ:「そういうこと。ただ、さっきも言ったように、このような2段構えのマーケティング戦略はPS3特有のものではないんだよ。」


レイナ:「ということは他にも最初は赤字でも次の段階で利益を確保する業界や商品があるってことですか?」


タツヤ:「ああ。それについては次回の説明していくことにしよう。」


<次回に続く・・・>

投稿時間 : 13:58 個別ページ表示

2006年11月23日
 ■ CRM戦略とライフタイムバリュー

レイナ:「「タツヤ先輩、インターネットってほんとに便利ですね。今まで安いと思っていたお店のブランド品がインターネットで価格を比較してみたら1番安いってわけじゃないことがわかったわ。これからはやっぱりインターネットで事前に価格を調査して商品を購入すべきね。」


タツヤ:「そうだね。消費者の立場からするとインターネットや情報技術の発達によってより多くの選択肢を入手できるようになって利便性が飛躍的に向上したよね。ところが、販売する企業側にとっては、情報技術の進展は新たな顧客を低コストで獲得できる機会が増えるといういい面もあるけど、長年の顧客さえ簡単に奪われる激しい競争の中に否応無く巻き込まれるという深刻な危機に直面することになるから一概に喜ばしいことではないんだけどね。」


レイナ:「そうね。商品が同じであれば、お店の信用っていう問題もあるけど、やっぱり価格が1円でも安いところを選ぶって消費者も多いものね。」


タツヤ:「そういう意味では今や商品やサービスを選択する主導権は企業から顧客に移って、顧客が最適な企業を選ぶ時代になったと言えるんだ。だから企業としては顧客主導のビジネス構造へ転換できるかどうかがビジネスの成功の鍵を握っていると言っても過言じゃないくらいなんだよ。」


レイナ:「以前の大量生産・大量消費の時代は企業主導で作れば売れる時代だったけど、これからは消費者の立場に立ったビジネスモデルを構築した企業しか生き残れなくなるのね。」


タツヤ:「その通りだよ。これまでのマーケティングではプロダクトに焦点を当てた分析やプロモーションを核とした戦略が中心となっていたんだけど、これからは企業活動を行う上で最も重要な情報の1つである顧客情報に焦点を当てて、その情報を有効活用したマーケティング戦略の確立が企業存続にとって不可欠のものとなってくるんだ。このマーケティング戦略が俗に言うCRMなんだよ。」


レイナ:「CRM?」


タツヤ:「そう。CRMっていうのは“Customer Relationship Management”の略で、顧客と良好な関係を構築・維持して獲得収益を最大化させるために、自社にとって収益をもたらしてくれる顧客群を明確に定義した上で、その顧客群に対して最適なマーケティングミックスを適用する戦略のことなんだ。」


レイナ:「ということは、CRM戦略っていうのはすべての顧客ではなく、自社にとって収益をもたらしてくれる顧客に対してマーケティングミックスを最適化する戦略ってことですね。」


タツヤ:「そうだね。そしてこのCRM戦略を立案する上で鍵になる概念が“ライフタイムバリュー”と呼ばれるものなんだ。」


レイナ:「ライフタイムバリュー?」


タツヤ:「そう。ライフタイムバリューっていうのは略してLTVとか日本語で顧客価値とも呼ばれているんだけど、一人当たりの顧客がその企業に対して生涯にもたらす価値、もしくは利益のことを表すんだ。たとえば、顧客が生涯に1回の買物をして1万円の利益を企業にもたらせばLTVは1万円だし、2回の買物をして2万円の利益をもたらせばLTVは2万円と言うことになる。」


レイナ:「ということは、ライフタイムバリューっていうのは長い期間取引してもらったり、利幅の大きい商品やサービスを購入してもらうことによって向上させることができるってことですね。」


タツヤ:「そうだね。特に今は価格競争も厳しくて顧客を獲得するのにキャンペーンなどを行って、初回の取引は赤字という場合も珍しくないんだ。だからCRM戦略でリピート購入を促して最終的に利益を確保するという戦略も必要になってくるんだよ。」


レイナ:「つまり、CRM戦略によって長い間顧客に支持される仕組みを作ってライフタイムバリューを向上させるのがすごく重要だってことね。」


タツヤ:「その通りだよ。そして、このような顧客を中心に据えたマーケティングマネジメントでは顧客価値の向上こそが企業価値の向上を意味するようになるんだ。」

 
【MBA講座:今回のTake Away】


◆CRMとは?
→“Customer Relationship Management”の略で、顧客との関係構築・維持から獲得収益を極大化するために、自社にとって収益をもたらしてくれる顧客群を明確に定義して、その顧客群に対して最適なマーケティングミックスを適用する戦略。


◆CRMの特徴
→すべての顧客ではなく、自社にとって収益をもたらしてくれる顧客に対してマーケティングミックスを最適化する。


◆CRM戦略の鍵になる概念
→ライフタイムバリュー


◆ライフタイムバリューとは?
→LTV、もしくは顧客価値とも呼ばれる。一人当たりの顧客がその企業に対して生涯にもたらす価値、もしくは利益のこと。

投稿時間 : 15:21 個別ページ表示

 ■ CRM戦略とライフタイムバリュー

レイナ:「「タツヤ先輩、インターネットってほんとに便利ですね。今まで安いと思っていたお店のブランド品がインターネットで価格を比較してみたら1番安いってわけじゃないことがわかったわ。これからはやっぱりインターネットで事前に価格を調査して商品を購入すべきね。」


タツヤ:「そうだね。消費者の立場からするとインターネットや情報技術の発達によってより多くの選択肢を入手できるようになって利便性が飛躍的に向上したよね。ところが、販売する企業側にとっては、情報技術の進展は新たな顧客を低コストで獲得できる機会が増えるといういい面もあるけど、長年の顧客さえ簡単に奪われる激しい競争の中に否応無く巻き込まれるという深刻な危機に直面することになるから一概に喜ばしいことではないんだけどね。」


レイナ:「そうね。商品が同じであれば、お店の信用っていう問題もあるけど、やっぱり価格が1円でも安いところを選ぶって消費者も多いものね。」


タツヤ:「そういう意味では今や商品やサービスを選択する主導権は企業から顧客に移って、顧客が最適な企業を選ぶ時代になったと言えるんだ。だから企業としては顧客主導のビジネス構造へ転換できるかどうかがビジネスの成功の鍵を握っていると言っても過言じゃないくらいなんだよ。」


レイナ:「以前の大量生産・大量消費の時代は企業主導で作れば売れる時代だったけど、これからは消費者の立場に立ったビジネスモデルを構築した企業しか生き残れなくなるのね。」


タツヤ:「その通りだよ。これまでのマーケティングではプロダクトに焦点を当てた分析やプロモーションを核とした戦略が中心となっていたんだけど、これからは企業活動を行う上で最も重要な情報の1つである顧客情報に焦点を当てて、その情報を有効活用したマーケティング戦略の確立が企業存続にとって不可欠のものとなってくるんだ。このマーケティング戦略が俗に言うCRMなんだよ。」


レイナ:「CRM?」


タツヤ:「そう。CRMっていうのは“Customer Relationship Management”の略で、顧客と良好な関係を構築・維持して獲得収益を最大化させるために、自社にとって収益をもたらしてくれる顧客群を明確に定義した上で、その顧客群に対して最適なマーケティングミックスを適用する戦略のことなんだ。」


レイナ:「ということは、CRM戦略っていうのはすべての顧客ではなく、自社にとって収益をもたらしてくれる顧客に対してマーケティングミックスを最適化する戦略ってことですね。」


タツヤ:「そうだね。そしてこのCRM戦略を立案する上で鍵になる概念が“ライフタイムバリュー”と呼ばれるものなんだ。」


レイナ:「ライフタイムバリュー?」


タツヤ:「そう。ライフタイムバリューっていうのは略してLTVとか日本語で顧客価値とも呼ばれているんだけど、一人当たりの顧客がその企業に対して生涯にもたらす価値、もしくは利益のことを表すんだ。たとえば、顧客が生涯に1回の買物をして1万円の利益を企業にもたらせばLTVは1万円だし、2回の買物をして2万円の利益をもたらせばLTVは2万円と言うことになる。」


レイナ:「ということは、ライフタイムバリューっていうのは長い期間取引してもらったり、利幅の大きい商品やサービスを購入してもらうことによって向上させることができるってことですね。」


タツヤ:「そうだね。特に今は価格競争も厳しくて顧客を獲得するのにキャンペーンなどを行って、初回の取引は赤字という場合も珍しくないんだ。だからCRM戦略でリピート購入を促して最終的に利益を確保するという戦略も必要になってくるんだよ。」


レイナ:「つまり、CRM戦略によって長い間顧客に支持される仕組みを作ってライフタイムバリューを向上させるのがすごく重要だってことね。」


タツヤ:「その通りだよ。そして、このような顧客を中心に据えたマーケティングマネジメントでは顧客価値の向上こそが企業価値の向上を意味するようになるんだ。」

 
【MBA講座:今回のTake Away】


◆CRMとは?
→“Customer Relationship Management”の略で、顧客との関係構築・維持から獲得収益を極大化するために、自社にとって収益をもたらしてくれる顧客群を明確に定義して、その顧客群に対して最適なマーケティングミックスを適用する戦略。


◆CRMの特徴
→すべての顧客ではなく、自社にとって収益をもたらしてくれる顧客に対してマーケティングミックスを最適化する。


◆CRM戦略の鍵になる概念
→ライフタイムバリュー


◆ライフタイムバリューとは?
→LTV、もしくは顧客価値とも呼ばれる。一人当たりの顧客がその企業に対して生涯にもたらす価値、もしくは利益のこと。

投稿時間 : 15:21 個別ページ表示

2006年11月09日
 ■ セールスフォースを最適化する方法とは?

レイナ:「タツヤ先輩、営業部の部長が嘆いてましたけど、大半の売上を一人の社員が上げていて、他に匹敵する者が現れてこないんですって。を上げるというような営業部門の問題はどのように解決すればいいんでしょうか?」


タツヤ:「そうか。どこの会社の営業部でもスーパースター的なセールスパーソンが会社の大半の売上を占めているっていう問題は発生しがちだよね。このように個人の成績で会社の業績が決まるというのは企業にとっても大変頭の痛い問題なんだ。だから、企業の収益性を今後さらに安定的に向上させるための戦略としては、セールスパーソン個人の業績の伸びに頼るより、組織全体としての業績をいかに伸ばすかが重要になってくるんだ。だから企業とすると所属するすべてのセールスパーソンが一定以上の成果を上げられる仕組みを作ることが重要な成功要因になるんだよ。」


レイナ:「でもそういうことって実際に可能なんですか?」


タツヤ:「うん。その答えは『スキルアップ』と『チーム・セリング』にあるんだ。」


レイナ:「『スキルアップ』と『チーム・セリング』?」


タツヤ:「そう。優秀なセールスパーソンの行動を分析して、どの行動が成果に結びついているかを発見し、全員がその成功パターンに沿った行動を行うことができれば、セールスパーソン全体がスキルアップして業績の向上が見込めるだろう。そのような成果の上がる営業マニュアルを確立すれば計画的にセールス活動を行うことができるようになるから、進捗状況に合わせて、上司からの適切な指導や同行訪問、営業サポートなどチームとして販売活動を行うことが可能になるんだ。」


レイナ:「今まで個人の才能に頼ってきた営業活動をマニュアルに沿ったものに変更して、さらにチームで営業活動を行えばすべてのセールスパーソンが一定以上の成果を上げるっていうことも不可能ではないってわけね。」


タツヤ:「そうだね。また購買意思決定に関わる先方担当者が多い大企業の場合や複雑なニーズを持つ顧客に対応する場合はセールスパーソン個人では対応しきれないことがあるから、そんな時は部門横断的に販売・マーケティング・開発・財務・テクニカルサポートなどの部門から適切なメンバーを選出してチームを組んで対応すると効果を発揮するっていうこともあるんだよ。」


レイナ:「そうね。販売っていうのはその営業の人達の信頼っていうのも重要な要素だから、専門家チームを組んで顧客のニーズに対応するっていうのも大切なことだと思うわ。」


タツヤ:「それから企業としてセールスパーソンが本来の営業活動に専念するために、組織内での活動状況や入手情報を共有化する仕組みを構築したり、提案書作成や顧客リレーション確保の作業分担を見直したり、無駄のない訪問活動を行うための担当制の見直しを行ったりする必要があるんだよ。」


レイナ:「このような営業活動の見直しを行うことによって企業はセールスプロセスを最適化して、組織全体として安定的な売り上げの確保が可能になってくるわけですね。」


【MBA講座:今回のTake Away】


◆セールスフォースに対して企業の抱える問題
→特定のセールスパーソンに売上貢献度が偏っている。


◆セールスフォースの問題に対する対応策
→所属するすべてのセールスパーソンが一定以上の成果を上げられる仕組みを作る。

1.スキルアップ
優秀なセールスパーソンの行動を分析して、どの行動が成果に結びついているかを発見し、それに基づいて営業マニュアルを作成する。営業部員はマニュアルに基づいて計画的にセールスを行う。

2.チームセリング
複雑なニーズを持つ顧客に対応する場合など、セールスパーソン個人で対応するのではなく、部門横断的に販売・マーケティング・開発・財務・テクニカルサポートなどの部門から適切なメンバーを選出してチームを組んで対応する。

投稿時間 : 15:25 個別ページ表示

2006年11月02日
 ■ 顧客データベース構築の重要性

レイナ:「タツヤ先輩、うちの営業部、今期は売上を上げるのにとても苦労しているみたいね。何かいい方法はないかしら。」


タツヤ:「そうだね。まずは顧客情報を収集して、顧客が真に何を望んでいるかを分析する必要があるね。」


レイナ:「顧客のニーズとウォンツを把握するってことですか。顧客の『生の声』を通して集められた情報の中に苦境を脱するヒントが隠されているんですね。」


タツヤ:「そういうこと。ただ、収集された情報を有効に活用するためには、情報を一元的にリアルタイムに管理する必要があるんだ。そしてこれを実現するためには顧客のデータベースを作らなきゃいけないんだよ。」


レイナ:「顧客のデータベース?」


タツヤ:「そう。企業が収集する顧客情報は大きく『顧客属性データ』と『取引データ』に分けることができるんだ。『顧客属性データ』には生年月日や性別などの静的なものと住所や電話番号などの動的なものあるんだ。一方で『取引データ』にはその顧客がそれまでに行ってきた取引の金額や種類、頻度、期間といった取引履歴や問い合わせ履歴、クレーム履歴などが含まれるんだよ。」


レイナ:「企業は『顧客属性データ』と『取引データ』から成る顧客のデータベースを構築しなきゃいけないってことか。」


タツヤ:「この『顧客属性データ』と『取引データ』を互いに組み合わせて、さらに統計解析ツールなどを用いて分析すれば、いろいろな観点からセグメント別の顧客の動向やニーズを把握することが可能になるんだ。加えて企業の顧客アプローチ方法の検証をすることもできるんだよ。」


レイナ:「企業としてはその分析結果を基にしてより有効なマーケティング施策を立案することも可能になるわね。」


タツヤ:「そうだね。ただ注意しなきゃいけないのはデータの分析が十分に行われたとしても、その結果が関連部門にフィードバックされなければ、さらに有効な施策の企画や立案もできず、マーケティング促進や顧客満足向上を実現することもできないんだ。」


レイナ:「ということは当たり前のことだけど顧客データベースの分析結果は商品開発部や営業部など関連部門に適切なタイミングでフィードバックしないと宝の持ち腐れになってしまうってことね。」


タツヤ:「その通り。だからデータベースを核にして、『情報収集→分析→仮説立案→実施→評価検証→フィードバック』というサイクルを全社横断的に実行できる仕組み作りが重要になってくるんだよ。」


【MBA講座:今回のTake Away】


◆顧客データベースの種類
1.顧客属性データ
 ・生年月日
 ・性別
 ・住所
 ・電話番号など

2.取引データ
 ・取引の金額や種類
 ・頻度
 ・期間
 ・問い合わせ履歴
 ・クレーム履歴など


◆顧客データベース分析のメリット
1.セグメント別の顧客の動向やニーズを把握できる。
2.企業の顧客アプローチ方法の検証ができる。


◆顧客データベース分析時の注意点
1.データ分析の結果を適切なタイミングで適切な部署にフィードバックしなければならない。
2.ータベースを核にして、情報収集→分析→仮説立案→実施→評価検証→フィードバックというサイクルを全社横断的に実行できる仕組み作りが重要になってくる。

投稿時間 : 07:49 個別ページ表示

2006年10月26日
 ■ 売上を劇的に向上させるセールスフォース戦略とは?

レイナ:「タツヤ先輩、営業部の部長が嘆いてましたけど、最近の商品は高度な技術を利用するのはいいんだけどお客さんが理解できなくて売れ行きはイマイチなんですって。」


タツヤ:「そうか。そうするとセールスフォース戦略を見直す必要があるね。」


レイナ:「セールスフォース戦略?」


タツヤ:「そう。セールスフォースっていうのは営業マンなどに代表される『外勤販売部隊』とテクニカルサポートやテレセールスなどの『内勤販売部隊』のことを指すんだ。」


レイナ:「なんだ。ということはセールスフォースっていうのは商品やサービスの販売に関わる人達のことなのね。」


タツヤ:「簡単に言うとそうだね。セールスフォース活動っていうのは、各種プロモーションメディアの中でも最も双方向性があって、柔軟な即時対応が可能であるという特徴を持っているんだ。だから、商品やサービスが複雑な場合や顧客が商品やサービスの品質や価格の差を認識するのが難しい場合に有効なんだよ。」


レイナ:「そうね。顧客側からすれば相手は営業の人だから商品やサービスについて分からないことがあれば直接聞けるものね。そのようなセールスフォースの特徴を踏まえて、売上の向上を図るのがセールスフォース戦略っていうわけね。」


タツヤ:「そうだね。セールスフォース戦略っていうのはセールスフォースが自社の商品やサービスを上手に売るための営業活動のプランニングや実行のマネジメントを行うことで、まず4つの要素を定義することから始めるんだ。」


レイナ:「4つの要素って何なんですか?」


タツヤ:「うん。商品やサービス、数、組み合わせなどの『サービスアイテム』、チームの構成人数やスキル、役割分担などの『チーム』、営業ターゲットや連絡・訪問の時間と頻度を定めた『アプローチ』、客先でのトーク内容や展開のシミュレーションなどの『セールストーク』の4つなんだ。」


レイナ:「『サービスアイテム』、『チーム』、『アプローチ』、『セールストーク』の4つの要素をまず最初に定義する必要があるんですね。」


タツヤ:「そうだね。またセールスフォース戦略はプロモーション戦略の一つの要素に過ぎないから、マーケティング戦略の一環として整合性が取れていなきゃいけないし、他のプロモーション手段と効果的に連動させることが重要なんだ。」


レイナ:「そうね。人的営業もマーケティング戦略の一部だから他の戦略との調和を図って進めないとバランスが取れなくなるものね。」


タツヤ:「それから、セールスフォース活動は個人の能力やスキルによって結果の差が何倍にもなるっていう特徴があるんだ。だからノウハウの共有によって経験の浅い社員は底上げしていかなきゃいけないし、優秀なセールスパーソンには高いモチベーションを発揮し続けてもらうために適切な評価・報酬制度を構築しなきゃいけないんだよ。」


【MBA講座:今回のTake Away】

◆セールスフォース戦略とは?
→営業マンなどに代表される『外勤販売部隊』やテクニカルサポート、テレセールスなどの『内勤販売部隊』を効率的に動かして売上を上げる戦略。


◆セールスフォース活動の特徴
→各種プロモーションメディアの中でも最も双方向性があって、柔軟な即時対応が可能。商品やサービスが複雑な場合や顧客が商品やサービスの品質や価格の差を認識するのが難しい場合に有効となる。


◆セールスフォース戦略の第一段階
→4つの要素を定義する。

1.サービスアイテム-(商品やサービス、数、組み合わせ)
2.チーム-(チームの構成人数やスキル、役割分担)
3.アプローチ-(営業ターゲットや連絡・訪問の時間と頻度)
4.セールストーク-(客先でのトーク内容や展開のシミュレーション)


◆セールスフォース戦略の注意点
1.プロモーション戦略の一つの要素に過ぎないから、マーケティング戦略の一環として整合性を取る。
2.他のプロモーション手段と効果的に連動させる。
3.ノウハウの共有によって経験の浅い社員は底上げする。
4.優秀なセールスパーソンには高いモチベーションを発揮し続けてもらうために適切な評価・報酬制度を構築する。

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2006年08月17日
 ■ セグメンテーションの4つのパラメーターとは?

レイナ:「タツヤ先輩、前回はヒット商品を生むためには市場を細分化してターゲット顧客を明確にしていく必要があるってことでしたけど、市場の細分化って実際にどうすればいいんですか?」

タツヤ:「レイナちゃん、実際のところ市場の細分化、すなわちセグメンテーションには普遍的な基準や方法はないんだ。なぜなら製品や経営資源、競合他社の戦略、その他の市場環境は時間とともに変化して一定ではないからね。」

レイナ:「それじゃあ、どのようにしてセグメンテーション戦略を遂行すればいいんですか?」

タツヤ:「そうだね。セグメンテーションを実行する際には一般的に4つのパラメータ(変数)が使用されるんだ。」

レイナ:「4つのパラメーター?」

タツヤ:「そう。まず第一に『地理的変数』。この『地理的変数』はセグメンテーションをする上で最も基本的で使用頻度の高いパラメーターなんだ。このパラメーターには居住地域や気候、都市化の進展度、政府の規制、顧客の行動範囲などが含まれるんだ。」

レイナ:「ということは『地理的変数』による市場の細分化では、市場を北海道、東北、関東などの地域から細分化できるってことですか?」

タツヤ:「そうだね。『地理的変数』では他にも都市部や郊外など人口密度から細分化したり、温暖地や寒冷地などの気候から細分化できるんだ。じゃあ、次のパラメータを紹介しよう。次のパラメーターは『人口動態変数』と呼ばれるものなんだ。」

レイナ:「人口動態変数?」

タツヤ:「うん。『人口動態変数』っていうのは市場を年齢や性別、世帯規模、所得レベル、職業、教育レベルや人種などの特徴から市場を細分化していくんだ。このパラメーターは特に消費財のマーケティングで重要視されてきたんだよ。」

レイナ:「そうすると、たとえば、ある化粧品メーカーが25歳から30歳までの年収500万円程度の収入のある大卒独身女性というような基準で市場を細分化することはこの『人口動態変数』によるものなんですね。」

タツヤ:「そうだね。そのように細かく対象を絞り込んでいけば、対象となる層がどのような商品に対する嗜好があるか明らかになってくるだろう。」

レイナ:「そうね。一人ひとりは違ってても同じ顧客層では大まかな傾向っていうのがあるものね。」

タツヤ:「次の変数は『心理的変数』もしくは『サイコグラフィック変数』と呼ばれ、市場を消費者のライフスタイルや性格から細分化するものなんだ。」

レイナ:「消費者のライフスタイルや性格から市場を分類するってなんだか難しそうですね。」

タツヤ:「たとえば、不動産業者がマンションや家を販売する時、購入者のライフスタイルを基準にして和室を作るのかどうか決定することができるよね。」

レイナ:「そうか。アンケートを取って和室は無い方がいいと言う意見が多数を占めれば、全て洋室のマンションを建設して販売するということもあり得るわね。今は結構ライフスタイルも多様化してるからそういったライフスタイルからの市場細分化はこの『心理的変数』に含まれるんですね。」

タツヤ:「そういうこと。そして、最後のパラメーターは『行動変数』と呼ばれて、顧客の過去の購買状況や使用頻度などから市場を細分化していくんだ。」

レイナ:「ということは自社の顧客データを分析して高いものを買うお客や安いものを買うお客に分類したり、毎月買うお客や1年に1回買うお客などに分類することですね。」

タツヤ:「そうだね。セグメンテーションはこのように4つのパラメーターを基準にして自社に合わせていろいろな変数を組み合わせて実施するのが効果的なんだ。」



【MBA講座:今回のTake Away】
 

◆セグメンテーション実行時の4つのパラメーター
1.地理的変数
2.人口動態変数
3.心理的変数
4.行動変数

◆地理的変数
→居住地域や気候、都市化の進展度、政府の規制、顧客の行動範囲
(例)市場を北海道、東北、関東などの地域から細分化する。

◆人口動態変数
→年齢や性別、世帯規模、所得レベル、職業、教育レベルや人種
(例)25歳から30歳までの年収500万円程度の収入のある大卒独身女性というような基準で市場を細分化する。

◆心理的変数
→消費者のライフスタイルや性格
(例)和室を必要だと感じる人と感じない人という基準で市場を細分化する。

◆行動変数
→顧客の過去の購買状況や使用頻度
(例)高いものを買うお客や安いものを買うお客に分類したり、毎月買うお客や1年に1回買うお客などに分類する。

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2006年08月10日
 ■ ヒット商品の基本、セグメンテーションとは?

レイナ:「タツヤ先輩、今期うちの会社が自信をもって市場に投入した携帯音楽プレーヤー。あれほどいろんな機能を搭載して、多くの消費者を獲得できると張り切っていたのに、結局は空振りに終わったみたいね。」

タツヤ:「やっぱり、セグメンテーションをしっかり行わなきゃ商品をヒットさせるのは難しいってことだね。」

レイナ:「セグメンテーション?一体そのセグメンテーションってどんなものなんですか?」

タツヤ:「うん、セグメンテーションっていうのはいろいろな基準で市場を細分化していくことなんだ。」

レイナ:「市場を細分化していく・・・でもなぜ市場を細分化していく必要があるんでしょうか?」

タツヤ:「まず市場を細分化することによってターゲット顧客が明確になるんだ。たとえば日本国民全体を対象とするマーケティングなんて不可能に近いだろう。それと企業の経営資源は限りがあるから市場を細分化することによって効率よく経営資源を活用することも可能ってことさ。」

レイナ:「そうすると今回の失敗は市場を細分化することなしにやたらいろんな機能を付加した商品を市場に投入したのがそもそも間違いだったってことね。」

タツヤ:「そういうことになるね。セグメンテーションっていうのは顧客のニーズやウォンツが多様化している現代社会で企業の限りある経営資源を最も有効な形で活用し、事業を展開する上で必須な戦略なんだよ。たとえば、すべての人のすべてのニーズに応える製品やサービスっていうのは製品のコンセプトが非常に不明確で製品の独自性が保てなくなるだろう。またすべてのニーズに応えるってことはいろんな機能を製品やサービスに付加しなきゃいけない。そのような製品やサービスの開発はコストが非常にかかって企業経営上好ましい戦略とは言えないんだ。」

レイナ:「よく『二兎を追うものは一兎も得ず』っていうじゃないですか。だからマーケティングもこれと同じでタイプの違った多くの人のニーズを満たそうとする戦略では結局失敗に終わる可能性が高いってことですね。」

タツヤ:「そうだね。やっぱり的を絞らなきゃ誰も“自分のため商品”って思ってくれないだろう。じゃあ次はそのセグメンテーションを行う際に重要になる4つのポイントを見ていこうか。」

レイナ:「市場を細分化する時の重要ポイントですか?」

タツヤ:「そう。成功するセグメンテーションはいくつかのポイントを踏まえなきゃいけないんだ。その第一点目は『測定可能性』。実際に細分化される市場の規模と購買力が容易に測定できなければいけないってことなんだ。」

レイナ:「そうね。市場規模がわからなければ企業としてもどのくらいの売上をその市場から上げられるかわからないから規模を測定できるっていうのは大切なことだと思うわ。」

タツヤ:「次のポイントは『到達可能性』と呼ばれ、細分化された市場に対してマーケティング活動が効果的に行えなければならないんだ。」

レイナ:「ターゲットが特定されてもプロモーション活動を通して企業のメッセージが伝えられなければ商品が売れることはないってことですね。」

タツヤ:「三点目は『維持可能性』と呼ばれ、細分化された市場が企業経営を存続できるだけの十分な利益を確保できる規模でなければならないんだ。」

レイナ:「市場規模が十分な利益を確保できるくらいじゃなければ、市場に参入する意味がないですからね。」

タツヤ:「そう。そして最後は『実行可能性』と呼ばれ、細分化された市場で顧客を引き付ける効果的なプログラムが実行できるかどうかが重要なんだ。」

レイナ:「ふーん、このような4つのポイントからセグメンテーションは行われるんですね。」



【MBA講座:今回のTake Away】
 

◆セグメンテーションとは?
→市場をある基準によって細分化していくこと。

◆なぜセグメンテーションが必要なのか?
1.ターゲット顧客が明確になる。
2.効率よく経営資源を活用することが可能になる。

◆セグメンテーションのポイント
1.測定可能性
2.到達可能性
3.維持可能性
4.実行可能性

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2006年06月08日
 ■ ぺネトレーションプライシングとスキミングプライシング(上澄み吸収価格戦略と市場浸透価格戦略)

レイナ:「タツヤ先輩、今度のうちの会社の炭酸コーヒープロジェクト。マーケティング部長が絶対に成功させてやると張り切っていたわよ。」

タツヤ:「炭酸コーヒーっていうのは新たな市場を切り開くことになるからね。力の入れようも違うんじゃないかな。」

レイナ:「そうね。早速私も買って飲んでみたんだけど味は思ってたよりおいしかったわ。ただ価格がね。普通のボトルで140円は高いんじゃないかしら。他のジュースよりも20円高ければ結構高いって感じがしちゃうわ。」

タツヤ:「レイナちゃん、それも戦略なんだよ。」

レイナ:「新商品に高い値段をつけるのが戦略なんですか?」

タツヤ:「そう。新製品の価格戦略には2通りの考え方があって、一つはマーケットシェアをいきなり獲得する目的で赤字覚悟の低価格を設定するぺネトレーションプライシングと、もう一つは短期間のうちに投資資金を回収し、収益を最大化させるために高い価格を設定するスキミングプライシングなんだ。」

レイナ:「ということは今回は高い価格を設定してるってことはスキミングプライシングを採用したわけね。」

タツヤ:「そういうことになるね。」

レイナ:「でもどのような基準で低価格で行こうとか、高価格でも大丈夫って決めることができるんですか?企業とするとできれば高価格の方がいいと思うんですけど。」

タツヤ:「どちらの戦略を採用するかはある程度の前提条件があって、たとえば今回のようにスキミングプライシングを採用する場合は製品が差別化されていて競争が激しくない場合や商品の需要が価格の影響を受けにくい場合などが挙げられるんだ。」

レイナ:「そうか。炭酸コーヒーなんて万人受けするものじゃないし、言ってみれば一部マニア対象の商品ですからね。味的にも他の炭酸とは一線を画して差別化されているといえば差別化されているわ。」

タツヤ:「今回そのような条件に加えて既にコーヒーのブランドを確立している我社だからこそ今回のような強気の価格設定ができたんだと思うよ。このようなスキミングプライシングではまず対象を価格にこだわらないマニア層(イノベーター理論のイノベーターやオピニオンリーダー)に絞り需要を喚起していくんだ。その後市場が拡大するに伴って価格を下げていくというのが一般的な戦略になるんだよ。」

レイナ:「いきなり投資の元を取ってそれから市場が拡大した段階で大量生産に持ち込んで価格を低下させていくがスキミングプライシングの一般的なやり方なのね。」

タツヤ:「そうだね。このようなスキミングプライシングに対してぺネトレーションプライシングでは前提条件としてまず潜在市場の大きさが問題となるんだ。」

レイナ:「一部マニア向けの市場ではなく、一般向けに大きなマーケットが存在することが前提になるのね。」

タツヤ:「そう。その上価格を変動させることによって需要が大きく変わるマーケットだったり、生産量の拡大に伴ってコストがドラスティックに低下する商品だったりする場合はこのぺネトレーションプライシングを採用するといいんだよ。」

レイナ:「そうするとコーラなどの一般的な清涼飲料はぺネトレーションプライシングが有効に働きそうね。たとえば、コーラとかペプシなんかの新製品が出たら、結局は味はあまり変わらないから値段で選んじゃうもの。」

タツヤ:「そうだね。そのようなマーケットで製品の差別化が十分にできない場合は価格で勝負に出てマーケットシェアをいかに高めるかが重要な課題になるんだ。」

レイナ:「商品で十分差別化できないから、低価格に訴えて生産量をアップさせ、低コストで収益を確保する戦略になるわけですね。」

タツヤ:「そう。特に価格というのは消費者に対する強烈なメッセージになるから特に新製品の価格設定の場合は製品やマーケットの特性を踏まえて慎重に価格戦略の決定を行う必要があるんだよ。」



【MBA講座:今回のTake Away】
 
◆新製品の価格設定戦略
1.スキミングプライシング(上澄み吸収価格戦略)
2.ぺネトレーションプライシング(市場浸透価格戦略)

◆スキミングプライシングとは?
→新製品投入時に他社の同製品より高めの価格設定を行い、短期間に大きな収益を上げ、投資した資金を早急に回収する価格戦略。たとえば、サントリーの『山崎50年』などは他に比較できる商品がないため100万円という高額な価格にかかわらず飛ぶように商品が売れた。

◆スキミングプライシング導入の前提条件
1.製品が差別化できている。
2.競争が激しくない。
3.需要の決定要因が価格ではない。

◆ぺネトレーションプライシングとは?
→新製品投入時に他社の同製品より低めの価格設定を行い、短期間でマーケットシェアを獲得する価格戦略。たとえば、Yahoo!のADSLは思い切った低価格戦略を採用することによりマーケットシェアの獲得に成功した。

◆ぺネトレーションプライシング導入の前提条件
1.大きな潜在的市場が存在する。
2.消費者が価格に非常に敏感な商品である。
3.生産拡大によりコスト削減が見込める。

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