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Lesson53 バランス・スコアカードとは?
「タツヤ先輩、うちの会社でコスト削減を声高に叫んでますけど間接部門が肥大化して、一向にスリム化が進みませんよね。そのせいで財務目標を掲げたけど、改善や向上にほとんど進展が見られないんですけど何かうまい解決策はないものですかね?」
「そうだね。現状そのような問題は我が社だけでなく多くの企業が抱えているんだ。このような場合一つの解決策としてはバランス・スコアカードの導入が考えられるんだ。」
「バランス・スコアカード?」
タツヤ:「そう。バランス・スコアカードっていうのは1992年にアメリカでキャプランとノートン両氏によって発表された経営手法で、現在は世界中で多くの企業が採用しているんだ。今までは売上などの財務諸表の問題は財務部門が中心となって取り組んでいたんだけど、それを財務ばかりでなく、顧客や業務プロセス、従業員といった多面的な観点から捉え、総合的に業務を改善する経営管理手法なんだよ。」
「経営を多くの観点から分析するなんてちょっと難しそうね。」
タツヤ:「そうでもないよ。簡単に説明すると、まずバランス・スコアカードでは先程言ったように、財務、顧客、業務プロセス、従業員の学習と成長という4つの観点から捉えるんだ。そして、それぞれにキーとなる指標がを設定し、それを改善していくというプロセスなんだよ。」
「そのキーとなる指標にはどのようなものがあるんですか?」
「うん。ピックアップする指標は企業によって様々だと思うけど、通常は1つの視点に5個前後の指標をピックアップしてそれに対する目標を設定するんだよ。たとえば財務の観点からは売上高成長率や営業利益率、自己資本利益率なんかが挙げられるし、顧客の観点からは顧客満足度やマーケットシェア、新規顧客獲得数、業務プロセスの観点からは納品リードタイムや不良品率、新製品導入率、そして学習と成長の観点からは従業員満足率や離職率などが代表的な指標だね。」
「ふーん。通常の企業は売上とか利益に対する追求で終わってしまうけど、バランス・スコアカードを導入する企業はより幅広い指標をモニターして、自社の業績の根本的な改善を図っていくのね。」
「そうだね。これまでもさっき言った指標というのは個別に会社として把握していたんだけど、バランス・スコアカードではそれらの指標に関連性を持たせ、バランスを図ることが重要になってくるんだ。」
「企業の多面的な方向からバランスを図るからバランス・スコアカードって呼ばれるのか。でもこの4つ観点にはどのような相互関係があるんですか?」
「うん。バランス・スコアカードではまず従業員の学習と成長の観点から改善を図るんだ。従業員が成長すれば業務プロセスの指標が改善し、それは取りも直さず顧客の満足度の向上に繋がるんだ。そうして顧客が満足すれば、最終的に売上や利益が向上していくという繋がりになっているんだよ。」
「そうか。従業員の成長→業務プロセスの改善→顧客満足度の向上→業績の向上という相互作用が働くのね。」
「そうだね。でも指標を設定する場合は今の逆で財務→顧客→業務プロセス→従業員の学習と成長という順番で行わなきゃいけないから注意が必要だね。」
「まず業績の最終目標を決めてからそれを達成するためには各視点でどのような目標が必要になるかを落とし込んでいくってことですね。」
【MBA講座:今回のTake Away】
◆バランス・スコアカードとは?
→1992年にアメリカでキャプランとノートン両氏によって発表された経営手法で、企業の業績を財務、顧客、業務プロセス、学習と成長の視点からピックアップした指標をモニターし、総合的に改善するもの。
◆財務の指標
1. 売上高成長率
2. 営業利益率
3. 自己資本利益率
◆顧客の指標
1. 顧客満足度
2. マーケットシェア
3. 新規顧客獲得数
◆業務プロセスの指標
1. 納品リードタイム
2. 不良品率
3. 新製品導入率
◆学習と成長の指標
1. 従業員満足率
2. 離職率
◆各視点の相互関係
従業員の成長→業務プロセスの改善→顧客満足度の向上→財務指標の向上
◆各視点の目標設定のプロセス
財務→顧客→業務プロセス→従業員の学習と成長
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