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Lesson 65 需要予測の手法(移動平均法と指数平滑法)
「タツヤ先輩。さっき部長から来期の需要予測の仕事を頼まれたんですけど、大体5%の売上アップということで報告しておけばいいですかね?」
「レイナちゃん、その5%の売上アップというのは何か根拠があるのかな?もし無ければ大変なことになるよ。」
レイナ:「でも需要予測って売上目標みたいなものでしょう?だから何パーセントアップかの数字を提出していればいいんじゃないですか?」
タツヤ:「需要予測っていうのはそんな簡単なものじゃないんだ。企業は需要予測に基づいて短期的には生産計画や販売キャンペーンを策定したり、中長期的には設備投資や採用計画を行うから、需要を正確に予測するってことは経営の根幹に関わる問題なんだよ。たとえば、過大な予測は過剰な投資に繋がって企業の資金繰りを圧迫させるし、過小な予測はお客様が商品を欲しがっているのに売る商品がないなど販売機会のロスが発生するから注意が必要なんだよ。」
レイナ:「ふーん、そうすると需要予測っていうのは適当にやっちゃだめなんですね。それじゃあ、どんな方法で需要をより正確に把握することが可能になるんですか?」
タツヤ:「うん。需要予測にはいろいろな手法があって、より精度の高いものを選ぶ必要があるんだけど、最も広く利用されているのは移動平均法と指数平滑法なんだ。」
レイナ:「移動平均法と指数平滑法ですか?」
タツヤ:「そう。まず移動平均法だけど、これは過去の売上の移動平均を算出して将来を予測する手法なんだ。」
レイナ:「たとえば?」
タツヤ:「たとえば、我が社の過去3年間の売上が200億、300億、250億だとするとこの過去3年間の売上の平均を来期の需要予測とするんだよ。つまり250億だね。」
レイナ:「移動平均法はそのように単純に過去の実績から将来を予測するってことね。ところでもう一つの指数平滑法はどんな方法なんですか?」
タツヤ:「うん。指数平滑法っていうのは過去の予測値と実績値を利用して需要を予測するんだ。指数平滑法では、
(今期の需要予測)=a×(前期の実績)+(1-a)×(前期の予測)
という式で求めることができるんだ。ここでaには0以上1未満の数字を割り当てるんだけど、最近の傾向を重視したい場合や需要が不安定な場合にはaを1に近づけて前期の予測のずれを今期の予測に大きく反映させることができるし、過去の傾向を重視する場合や需要が安定している場合はaを0に近づけて、前期の予測のずれを今期の予測に反映させる度合いを少なくすることができるんだ。」
レイナ:「ちょっとわかりにくいんですが、実際にはどのように使われるんですか?」
タツヤ:「たとえば前期の需要予測が280億で実際の売上が250億だったとしよう。今回はaを0.5に設定すると今期の需要予測は、
0.5×250億+(1−0.5)×280億
ということになって265億ということになるんだ。このときのaの設定はいろいろなシミュレーションを行って適切なものに設定するとより精度の高い需要予測が可能になるんだよ。」
レイナ:「ふーん。需要予測っていうのはただ単に目標の売上として計算するんじゃなくいろいろな方法でより正確な予測を行う必要があるのね。」

【MBA講座:今回のTake Away】
◆正確な需要予測の必要性
→企業は需要予測に基づいて短期的には生産計画や販売キャンペーンを策定したり、中長期的には設備投資や採用計画を行うので、需要を正確に予測することは経営の根幹に関わる問題となる。
◆需要予測の手法
→移動平均法、指数平滑法、重回帰分析モデルなど様々な手法がある。
◆移動平均法とは?
→過去の実績を平均して次期の需要を予測する手法。たとえば過去3期の実績が200億、300億、250億とすると3期の平均250億を次期の需要予測とすること。
◆指数平滑法とは?
→前期の実績と予測から今期の需要を予測する手法。
(今期の予測)=a×(前期の実績)+(1-a)×(前期の予測)
で求められる。(ここでaは0以上1未満の任意の係数)たとえば、前期の実績250億、前期の予測280億とし、a=0.5に設定した場合、来期の予測は265億となる。
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