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Lesson91 政府が民間の活力を奪うクラウディングアウトとは?
レイナ:「一体消費税が上がること以外にどんな問題が発生するんですか?」
タツヤ:「まず国債の発行は経済全体の総需要を大きくするんだ。それ自体は不況時は財政政策の一環として必要なことなんだけど、度の越した国債の発行は経済をインフレへと導くんだよ。たとえば、戦時中、国債によって戦費を賄った時、その額のあまりの膨大さに八イパーインフレというとてつもないインフレが過去に発生したことがあるんだ。」
レイナ:「過度の国債の発行はインフレの原因になるってことですか。」
タツヤ:「そう。他にも国債の発行は金利の上昇につながるんだ。国債が市場に多く出回るようになると需要と供給のバランスから国債の値段は下がるだろう。国債の値段と金利は反比例の関係にあって国債の値段が下がれば金利は上昇するってわけさ。」
レイナ:「国債の値段が下がれば金利を上げないと購入者がいなくなるってことですね。」
タツヤ:「そうだね。その金利の上昇は企業や家計にとっては設備投資や車や家などの購入意欲を減退させ、経済を下降させていくんだ。これを経済学ではクラウディングアウトと呼ばれているんだよ。」
レイナ:「政府の国債による支出が結果として企業や家計の投資や消費を『押しのける』からクラウディングアウトですか。」
タツヤ:「そう。そして最後の問題点は限りある資源の多くを政府が消費してしまう点なんだ。経済学の主旨は限りある資源をどう配分すれば最大幸福が得られるかってことなんだけど、国債の発行により政府の支出を大幅に増やした場合、本来民間で利用できていた資源まで政府が消費してしまうことになるんだよ。」
レイナ:「たとえば?」
タツヤ:「たとえば、不況時には多くの優秀な学生たちが安定した公務員を目指すだろう。優秀な学生が民間企業に流れなければそれだけ民間企業の活力が失なわれていくことになるんだ。他にも市場の資金が多く政府に流入することによって民間が利用できる資金もそれだけ少なくなるってことにつながるよね。」
レイナ:「そうですね。それも大きな意味でクラウディングアウトってことですね。」
【MBA講座:今回のTake Away】
◆クラウディングアウトとは? →政府が国債の発行や、消費、採用を増加することによって経済を下降させたり、民間の利用できる経営資源を少なくさせること。
◆クラウディングアウトの事例 1.多量の国債を発行することにより、金利の上昇を招き、企業や家計の消費に対する意欲を減退させ、経済を停滞させる。 2.公務員として優秀な人材を確保することで、民間での人材難が起こる。 3.政府が多額の借入を行うことにより、民間企業の借入利用分が減少する。
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