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Lesson96 価格競争における囚人のジレンマとは?

 

「タツヤ先輩、さっき系列のスーパーの社長が来て、酒税の値上げで第3のビールを値上げするかうちの部長と相談してたわよ。」

「そうか。スーパーは競争が激しくて10円と言う値上げでも売上シェアに大きく響くからね。」

レイナ:「そうね。今は価格に敏感な消費者も多いから、スーパーの社長とすると価格を上げざるべきか、据え置くべきかでハムレットの心境だと思うわ。」

タツヤ:「そうだね。このような価格競争はまさに囚人のジレンマなんだ。ただ、囚人のジレンマの場合、支配戦略を見出すことで迷う必要は無くなるんだよ。」

レイナ:「囚人のジレンマ?値上げと囚人と一体どんな関係があるっていうんですか?」

タツヤ:「たとえば、粉飾決算で2人の共同経営者が逮捕されてとしよう。ここでこの2人はそれぞれの独房に入れられて情報交換が全くできない状況なんだ。物的証拠は乏しいから2人が黙秘を押し通せば、別の微罪での立件で済むんだけど、単独犯の場合は懲役10年、共犯の場合は懲役5年という重い刑が待ち構えているんだ。」

レイナ:「本人たちの対応で受ける罰の大きさが全く変わってくるって事ですね。」

タツヤ:「そう。取調べを厳しく行ってもいつまで経っても2人が口を割らないから検事はこうささやくんだ。『相手はお前が主犯だと自白したぞ。このまま黙秘を続けるようだとお前が主犯ということで懲役10年、お前に従った相棒は無罪放免になるけどな。』って。そこでこの容疑者はどの対応がベストな選択か考えるんだ。」

レイナ:「2人が黙秘を続ければ微罪での立件で済むけど、相手が自分に罪をなすりつければ懲役10年、お互い真実を話せば5年の懲役ってことですものね。」

タツヤ:「ああ、そしてこの囚人たちは悩んだあげく結局どうしたと思う。」

レイナ:「そうね。やっぱり黙秘を続けて一番刑が軽くなることを選択したんじゃないかしら。」

タツヤ:「その対応は2人が自由に情報交換ができて状況が把握できる場合はベストの選択かもしれないね。でも情報が遮断されているから相手がどのような対応を行っているかわからないだろう。たとえば、自分だけが相手を信用して黙秘している間に罪をなすりつけられると、相手は無罪で済むのに自分は10年もの間刑務所に入らなきゃいけなくなるんだよ。」

レイナ:「そうか。ここでは相手は全く信用できないってことになるのね。そうすると行動パターンは黙秘か自白だから、黙秘する場合は相手の対応により微罪か懲役10年、自白する場合は無罪か懲役5年っていうことね。そう考えるといずれにしろ自白した方が最善の策ってことになるわね。」

タツヤ:「そうなんだ。だからこのような場合囚人は黙秘か自白かを迫られたときに、結果を考慮に入れると自白しか行動パターンは残されていないんだよ。」

レイナ:「でもこの囚人のジレンマと第3のビールの価格競争とどのような関係があるんですか?」

タツヤ:「うん。スーパーの社長はまさにこの囚人の立場と全く同じ状況にあるんだ。たとえば、今回の酒税のアップに対して2社が価格転嫁を行い値上げするとお互いに現状の利益を確保できる。ところが1社が値上げして、1社が据え置くとお客が安いお店の方に流れて値上げしたスーパーは利益が激減する一方で、据え置いたスーパーはこれまで以上の利益を確保できる。そして最後のパターンは両社とも価格を据え置くことにより酒税分の利益の微減で抑えられるってこと。」

レイナ:「でもお互いに示し合わせて酒税分くらいは価格を上乗せするのがスーパーにとっては最善の策になるんじゃありません?」

タツヤ:「あのねぇ、レイナちゃん。そういうのは談合といって独占禁止法で禁止されているの。そのようなチョイスは初めから企業には無いんだよ。」

レイナ:「そっか。そうすると企業側の対応は据え置きか値上げだから、据え置けば利益の増加か利益の微減という結果になるし、値上げすれば現状の利益か利益の激減ということになるわね。相手の出方はわからないけどいずれにしろ据え置き戦略が得策になりそうね。」

タツヤ:「そう。この場合は価格を据え置くことによって相手がどう出てこようが、メリットを最大に享受することができるんだ。このように自社の戦略のオプションを比較したときに、ある戦略が常に他の戦略を実行したときよりもいい結果をもたらす場合、その戦略は他の戦略を支配しているっていうことだから“支配戦略”って呼ばれるんだ。」

レイナ:「その戦略を超える戦略はないから支配戦略ですか。」

タツヤ:「そう。この支配戦略を見つけることができれば、戦略オプションの決定に迷う必要はなくなるんだよ。」

レイナ:「ということは系列スーパーの社長にとっては据え置き価格が支配戦略であり、最適の選択として悩む必要はないってことなのね。」

 

【MBA講座:今回のTake Away】

 

◆囚人のジレンマとは?

ゲーム理論の事例。隔離された2人の共犯者において、黙秘か自白により量刑に差が出るために、行動オプションの選択を悩むこと。2人とも黙秘すれば微罪で済むが、2人とも自白すれば懲役5年、一方が自白して一方が黙秘すれば懲役10年という場合、相手の裏切り不安に晒されて常に自白するという行動を取る。

◆支配戦略とは?

戦略オプションを比較した時に、どのような場合でも他のどの戦略よりも有利な結果をもたらす最適な戦略。囚人のジレンマでは自白することが黙秘することよりも有利な結果をもたらす支配戦略と言える。

 

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MBA講座講師プロフィール:安部徹也

大学卒業後、都市銀行に入行。米国MBA留学を経て、MBA Solutionを設立し、代表に就任。現在All About よくわかるマーケティングのガイドとしても活躍中。

 


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