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「僕が入った頃のNECは、売上の半分が電電公社で『電電公社の工場部門』と言われていた。伝送装置や交換機は『コストプラス方式』と言って、開発・生産にかかった費用に利益を上乗せして価格で買い上げてくれた。この環境でどういう人が育つか分かるでしょう?」(西垣浩司氏:NEC元社長)
私自身の経験を踏まえて言わせてもらえば、大企業は特に顕著だと思うのですが、自分自身がいくらがんばっても大勢に影響はなく、まさに組織の歯車として日々与えられた業務をこなせばいいという所謂『大企業病』という考えを持つようになります。大きな組織の中では出る杭は打たれるので、目立たないよう周りと協調を図って無謀なことには挑戦しなくなるのです。
ところが一旦このような習慣が身についてしまうと、新たなことや自分のレベルを超える難しいことに挑戦する意欲が低下し、ビジネスパーソンとしての成長が止まってしまうので注意が必要です。
年功序列で黙っていても年を取れば昇格していた時代はいざ知らず、現在は終身雇用も危うい時代です。このようなビジネスパーソンにとって厳しい時代を生き抜くには環境に適応した能力を養い、自分自身を常に成長させていかなければいけません。そのために重要なのが自分をどのような環境に置くかということです。
ぬるま湯につかっていれば、その瞬間は気持ちのいいものでしょうが、一旦外に放り出されると環境の変化についていけず、生き残りさえ難しくなるでしょう。先を見越して、どのような環境に放り込まれようが対応できる準備を常日頃から心掛けなければいけないのです。
常に自分を追い込んで成長を目指すビジネスパーソンと与えられた環境に甘んじて向上意識を失うビジネスパーソン。数年後には能力に雲泥の差がつくのは歴然としています。
これから迎える新しい時代はビジネスパーソンにとってまさに氷河期。あなたは環境の変化に気付かず滅んでいく恐竜ですか?それとも環境に適応して繁栄を築く哺乳類でしょうか?
そんな質問を西垣氏の言葉から感じ取れそうです。
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「私は「不況の時にはぬるま湯に入ったつもりでじっとしておれ」と言い続けた。難問にぶつかった場合、あせったり、気にしすぎたりせず、じっくり問題の本質を見極めることが必要なのである。」(川勝傳氏:南海電鉄元会長)
私達は何かの問題にぶち当たっては右往左往する場合があります。問題の表面化した部分だけに振り回されて結局何ら問題解決の核心に迫ることができなかった経験はありませんか?
問題というのは“氷山の一角”と同じで実は事象として現れているのは、ほんの一部に過ぎません。特に難問にぶつかった場合は、目に見えないところに問題の本質が隠されていて、その問題の本質に対処していかなければ、解決することは難しいといわざるを得ません。目に見える現象をいくら潰していっても、それは問題の枝葉を切っているに過ぎないのです。
難問にぶつかったときは、川勝氏がおっしゃるように今現れている事象にとらわれるのではなく、『問題の本質は何か?』をじっくりと見極め、問題の根幹として横たわる本質に対処していくことが解決へ向けての最良の方法と言えるのではないでしょうか。
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「私は自分のためにのみ働いてきたため、ロンドンでわびしい思いをした。今後は可能な限り人のために働こう。」(犬丸徹三氏:帝国ホテル元社長)
帝国ホテルの社長を務めた犬丸氏は若かりし頃ロンドンにホテルマンとして修行に言った際に、自分のことだけを考えて行動してきたために、初めてのクリスマスを一人で過ごすという寂しい思いをしたそうです。
特に一人が好きな人はこれはこれで問題ないのでしょうが、ビジネスで人の上に立とうと考える人は自分のためだけに働くという考えでは確実に目的を達成することはできません。ビジネスで成功するということは、デイトレーダーなどある特殊な職業を除いて、人のために働いた結果としてもたらされるものだからです。
この人のために働くということに対して、先日私の家庭でのある出来事が気付きをもたらしてくれました。
私達は今年の9月にディズニーランドリゾートのホテルに滞在したのですが、それ以降妻や娘たちは『今度はどこのホテルに泊まろう』と機会がある毎に相談していました。そこで私は先日、3月にディズニーランドに泊りがけで行こうと提案したのですが、この提案に対して妻や娘たちが目を輝かせて喜んだのは言うまでもありません。
この時私は思いました。父親の仕事とは家族に夢を持たせてそれを実現していくことではないかと。
この基本はビジネスでも同じです。社長の仕事は社員や株主に夢を持たせて実現していくことですし、会社の仕事はお客様に夢を持たせてそれを実現していくことです。
人に夢を持たせて実現していくことにより、人からの信頼を得て、自分の望むもの(それは居心地のいい環境だったり、高い報酬だったりするのですが)を手にすることができるのです。つまり、結局は人のために行動することは取りも直さず自分のためになるということです。
このような観点に立てば、ビジネスや人間関係でうまくいかないと思う時は犬丸氏のように『可能な限り人のために働こう』という意識を持てば現状を打破することができるかもしれませんね。
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「人間はどんな危機にも、気力と精神力が強ければ、たいていの危機は克服できるものだ。」(ニチロ創業者:平塚常次郎氏)
人は生活していれば必ずや『人生最大の危機』と思えるものが何回かはやってくるものです。私自身もこれまでに公私含めて何度かの危機に遭遇してきました。その時は考える余裕もなく、後から振り返って思うのですがやはり危機に直面した時は、その危機から逃げることなく、危機と向き合って真摯な対応を心掛ける。そうすればほとんどの危機を乗り越えることができると確信するに至りました。逆に『臭いものには蓋』的な行動や無責任な対処では危機を更に悪化させることに繋がるので注意が必要です。
たとえば、松下電器は昨年FF式石油暖房機の死亡事故に際して、信用失墜の危機に見舞われました。この危機に際して、当時の中村社長は、この死亡事故を隠すことなく、テレビや新聞など莫大な費用を使って最後の1台まで責任を持って発見するという態度を消費者に示しました。(実際にこの広告については一時しのぎのアピールではなく、今年も続けられているようです)。この対応により死亡事故によって消費者の不信を買うどころか、逆に信頼を得て業績の向上に繋がりました。
一方で今年ノートパソコン用の充電池の発火問題が発生したソニーは危機の認識が甘く、初期対応を間違えて信用を失い、業績の低下を招いてしまいました。
現代ビジネスにおいて、法人であれ、個人であれ必要とされる重要な能力の一つは危機管理能力や危機処理能力だと言われています。危機というものはどうしても避けられないものですから、『危機に直面した時に必ず克服するという気力と精神力を高め、真摯に対応していけば、ほとんどの危機は克服できる』という平塚氏の言葉を胸に刻んで日々危機に対応していく必要があるのではないでしょうか。
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